およそ300年ごとに大流行となるペストだそうである。期限は聖書に遡り神が人間に罰を与えて、腫瘍を作ったとあることから推定される。また中世ではデカメロンの作者ボッカチオがナポリに旅行に行った折そのペストの猛威が丁度イタリアを襲っておりその有り様を書き記しているのである。花を手にするもの、雨戸を閉めて閉じこもってしまうもの、どうせ死ぬのだと居直って放蕩の限りを尽くすものと、いろいろなパターンがあったがどの人もどの人も皆この疫病の平等な犠牲者となっていったのである。
イギリスには来ないだろうと海を越えた人々は思っていた。ところがイギリスでも大流行になり死者は他の国より多かったのである。
世界的に見ると推定3千万人以上 いや1億人ともいわれる人々が犠牲になったのである。
患者の衣類に触ったもの、持ち物に触ったもの、また話をしたもの、顔を見たもの目を見たものそういう人々が次々と死んでいくのである。ついには患者の目を見ずに看護をすると言うおかしな方法まで編み出されたのである。その頃にはまだウィルスとか病原菌とかの発想もなくただ呪いとか罪とかそういうようなことで病が起こると考える人々が多くいた。
ペスト流行前に、イナゴの大発生がアフリカで見られている。
今回のコロナでも、同じくイナゴの害が、ニュースで言われた後であった。
イナゴで、飢饉になる。おまけに、地震、旱魃、豪雨、噴火と発生して、それと同じくして、ペストが流行っているのだ。日本もどこかにてないか?
1983年この本が書かれたときにはまさか今の現代にコロナなどと言う世界的なウィルスの病が流行するなどと予想していなかったに違いない。なので、てきぱきと必要な資料が書かれているわけではない。今であればもう少しましな本がかけたに違いないのだ。著者が悪いわけではあるまい。
また北里柴三郎は、ペスト菌を発見した先駆者。ネズミの駆除に力を入れ、日本のペストは退いたとされる。