スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

赤死病の仮面    エドガー アラン ポー (1801年ー1841年)

黒猫、アッシャー家の崩壊、モルグ街の殺人など、ミステリアスなそして耽美主義な表現がマックスに達した文章というものに特徴がある。一つ、短い文をと思って、この赤死病のかめんというやつを読んでみた。

ある王国で、この病が流行り、それは真っ赤になって死んでしまう怖すぎる病気。まるでエボラ熱か何かの様だ。

王様は、お城を高い塀でぐるりと囲ってこの病からお城や自分を守っていた。城外ではこの病で人がどんどん死んでいく。

王様と家臣たちは安全に楽しく、宴会などしてのんきに暮らしている。

ある日、その大宴会の真っ只中に、その病気と見紛う真っ赤な爛れた仮面を被ったヒトが躍り出た。それも王様の真前にだ。

お前は誰だ!正体を現せ!と王様は言った。家来たちは皆怖がって動けない。仮面をしているのは明らかに分かった。

とうとう正体をあらわそうとする仮面の人。仮面を外したその中には、つまりは何も残っておらず、爛れた血の様な真っ赤な衣装の下にも誰も居なかった。衣装と、仮面だけが残って跡は全て消えてしまっていたのだった。