リストラされた青年の前に黒猫の赤ちゃんが、2匹やってくる。母親にも、恋人にもリストラの事は秘密にしていたのだが、わきの甘い耕史の嘘は、すぐにバレバレであった。
職もないため、父親(塚地武雄)の占い業を真似て、おずおずやっていた彼の元に、、黒猫の赤ちゃんが2匹やってきて父親の時と同じ具合になってゆく。
思えば、亡くなった父は、占い業も精出さず、いつもゴロゴロして寝てばかりの、のんびりやであった。
あんな大人には、決してなるまいと、猫嫌いになっていたコウジであったはずだが、転がり込んできた子猫達を育てるハメになり、
黒猫占いとやらを始め出す。実はこれも父と同じ事であった。父の黒猫のお告げという占いはブレイクして行列のできる日も多くなったのだから。
年取った母(鷲尾マチコ)は入院してしまうが、唯一の彼の味方でもあり、父親の事も尊敬を込めて語るのが常であった。
夫の占いはいい加減なものではなく、覚悟を持った占いであったと言うのだった。
黒猫たちの世話に悪戦苦闘の主人公を、いかにも気負いなく自然体で演じている山本耕史を、目の覚める思いで、見守った。時代劇のように、肩に力を入れぬ演技は、平凡な営業マンの背広スタイルからの出発であった。
こんな俳優は、初めてだ!これは凄い、すごいニュースだ!
と勝手に盛り上がる私であった。
脇役の塚地、鷲尾、などの自然な演技も手伝って、今、そこにいるおばさん、おじさんのように感じてしまうような感じである。
こりゃ、参ったね。 猫嫌いのわたしが引き込まれたドラマであった。