アド・アストラこの意味不明な題名。アドは、B.Cと、A.Dのアドかもビフォア、アフターってか。アフターのことだろか。
アストラいうのは、星、宇宙 、天などという意味。宇宙船に乗り、宇宙に行ったピットの、その後の心のことを描いた作品になっている。
ピットが目指すのは、父がいると思われる海王星付近のリマ号である。三十年たった今も宇宙船内で父は生きていると言われている。リマ号から、電波サージが起こり、地球はこのサージで、破滅してしまう危険があった。リマ号を爆破せよ。
ロケットに乗り組んだピットだが、政府は、彼と彼の父を排除しようと考えていた。だから、過酷な旅となった。
父の乗ったリマ号では、前代未聞の遠い宇宙へ来たことで、クルーたちが発狂状態になり、争いで死んでいった。船長のピットの父親だけが生き残り、船内で数十年を過ごしていた。父は、まだ知的生物を探していた。しかし何年もかかってあらゆる所を探しても、生物を見つけるに至らず、苦心した。
父は、家庭よりも、仕事を絶対的に優先した人であった。そのため、母は苦しみ、ピットも心に傷ができたのだった、誰にも心を開かずに、誰をも信用していなかった。そのため時々、恐ろしい不安が心の闇から湧き起こり、動揺するのだった。それは仕事中にも起こり、この動揺を軍は心理テストに読み取り、ピットには心理的問題があり、排除すべき人物だとみなすようになった。
そんな彼だから、妻とも、うまくいかなくて、それも悩みの種であった。
なんとか父親のリマ号に乗ったピットは、やっとのことで移動して父と船外に出た。父を、ピットの船に乗せる移動の時、事故が起こり、やむなく父の命綱を切ることになった。父は自分の命綱を切ってくれ!切るんだ!と命令した。
そうやって父は息子を救ったのだ。そうでなかったら、二人とも宇宙に流れていくところであった。
遠くへ流されてゆく父を見送り、
リマ号を核で爆破して、軍の命令を遂行したピット。辛く恐ろしい行為。
だがピット心に湧き出る何かがあった。
父に命を救われた彼、帰路についた彼はしみじみと人間の愛について想いを馳せたのだった。
地球に帰ってきたピットは、政府と軍から迎えられるのだろうか?
レスキュー隊が走り寄ってきた。彼は、迎えられたのだった!
宇宙の開発というより、人間の心の闇や、欲望、不信、そんなものを描き、
なをかつ宇宙は、やはり未知で恐ろしいものとして描かれる。
「生きるとは、辛いものよ。」弟の言葉が、いみじくも胸に迫る。そういえば、一匹の耳のかじられた野良猫、最近全く見なくなったね。
軍の食堂で一人で、コーヒーを飲む彼の元へ
妻が歩み寄ってきた。二人はお互いに笑顔になっていた。チミタチは、コーシーさえ飲めたら、それでいいのかい?!妻はアルマゲドンのリブ・タイラー。
宇宙ものだったらこの人でしょ。
父親はあのトミーリージョーンズである。この人、真面目な俳優さんだったのね。ジョージアコーヒーのCMが浮かんでしまって、苦笑。あ、メンインブラックで宇宙人役にもなってたね。やっぱ変。
火星のステーションで会った火星生まれの女性は、黒人だったが、とても綺麗な知的な眼の女性だった!面白いキャスティングが光っている。
ただ、宇宙映画といえばいまだに、「インターステラー」を超える映画がないように思う。