彼は大きな挫折ということを言ったが、この大きな挫折と言うのは、人生を2分するようなすっぱりと切ってしまうような残酷なものを指差しているのだ。今までコレがそうなのだと信じていた日常がある日突然ガラガラと崩れ去ってしまうような取り返しのつかない事が起こるのである。そうのような大きな出来事を指している。人々はその時、その出来事をどのように受け取るのであろうか無理矢理受け取らざる得ないような不躾な残酷な出来事、望んではいない出来事、そのようなものを受け取ると言う事は、なかなかにできることではない。しかし、それを自分の心で噛み締めて、何とか立て直さないと生きて受けないではないか。人間には不思議な力があるのだろうか。それは一人ひとり様々な不幸であり、独特すぎるという意味でも、誰かに代わってもらうと言うことのできないものなのである。
神については、ヤスパースはあらゆる多様性であることを認め、けれども、結局はやはり1つの神として成り立っているんだと言うことを言っているのである。アニミズムその他いろいろな信仰があるけれどもそれを為している人々は結局は、いろいろな筋を通ってくる川であり最終的には海へと流れ出るのである。そのようなことを考えても、信仰と言うのは、人間にとって、やはり多様性があってあっても海へと流れるのである。これは1つの比喩で話しているのだが、皆が胸に手を当てて当たることを考えてみると良い。
つまり、この大きな挫折と言うのと、神と言うのはページつながりになっており、1つの本の中で人生の物語として続いているものなのであると私は考えているのです。

