スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

ソドムとモゴラ  ロトの人生

アブラハムと言うのは、旧約聖書で創世記に関わる人であり信仰の父といわれるひとである。彼の神への厚い信仰は誰にも真似のできないものであった。

神の告知を受けて、アブラハムはエジプトへ旅立った。甥っ子のロトもアブラハムを敬愛してエジプトについてきたのだった。アブラハムの妻サラは絶世の美貌であり、エジプト王がアブラハムの妻サラが欲しいという。アブラハムは妻を王に差し出し、代わりに多くの財を貰ったのだった。

それを見て、ロトはアブラハムを酷い男だと失望してしまう。実はロトは、美しい人妻のサラに恋焦がれていたのだった。エジプト王パロの宮殿にサラが入ると宮殿中の人々が激しい病に罹った。コレをみて王は心から恐怖し、サラを解放。さらに恐れたパロ王は多くの財宝や、土地をアブラハムに与えたのだった。

(王はサラのことをアブラハムの妻と知らず、彼の妹だときいたままに信じていた)  

アブラハムは、惜しげもなくその富も肥沃な土地も甥のロトへすきなだけ与えたのだった。

寛大ではあるが、妻をエジプト王のパロに売ったことには変わりなかった。そんな自分を悔いても悔い切れずに苦しむアブラハムであったが、神は彼を許しサラに奇跡を起こさせて救い出したではないか、それにもまして、おおきな富まで降らせて下さった。これは一体どれほどの恵みをわたしにくださったことやらと、驚きながら恐れいるのだ。

多くのものをアブラハムからもらったロトは肥沃なヨルダンの土地を選んで手に入れた。そこはソドムというものであったー乱れに乱れた悪名高い街であったーそこには乱れた性があちこちに見られ、悪徳が栄える街になっていた。

もう誰もこの街を変えることは出来なかった。恐ろしいこの世の地獄と化してしまったソドムであった。

なぜかと言えば、人間たちがおそれを知らず、自分の利欲を求めてばかりいたため、おかしなことになってしまったのである。人間とは本当に自分勝手ないきものであった。

そんな不振な日々の中見知らぬ「天使」が舞い降りて、この街ソドムを滅ぼすよとロトに告げた。さあ逃げなくてはとロトは家族を連れて街からにげようとしたが、誰も信じてくれず、ぐずぐずとしていた。悪徳まみれでもこんな立派な大都市が滅びるわけないじゃん!

天使が来たのだとロトが言っても、冗談だとして笑われた。だが天使が不思議な術を見せた事でロトの娘も妻も信じ始めた。ソドムの街を振り返ってはいけない!と言われたにもかかわらず、妻は振り返り「塩の柱」と化してしまう。

そしてソドムとモゴラはみるみる崩壊して消え失せて海の底に沈んだという。死海の底に。

そんなこんなで、遠くの山へ逃げよと言われてロト達は逃げた。だが山はあまりに遠かった。それで、途中の街で休みたいというと、その街は滅ぼさないと神は約束してくれた。ロトが助かったのは実はアブラハムが 神にロトの命乞いを祈願して祈ったことによるという。その街で暮らせば良いものを、ロトは再び街の崩壊を恐れて、家族を連れて山に逃げ込んだ。そしてそこで暮らした。ことごとく神の言葉を無視してしまったロトの運命は…?

山に深くはい行って辛く不便な生活をしているうちに、とうとうロトは近親相姦いうタブーを犯し、娘らに子供が産まれた。

人間はなかなかに、神を信じるということができず 神を裏切り、自ら不幸の奈落へと落ちてゆく。

このように空恐ろしい話であった。三浦綾子は、神と人間のむずかしい関係、(本来は難しくはないのだが)

を描いて見せた。  旧約聖書は色々難しい感じがして、長いこと放っていた。あるきっかけがあって数十年ぶりに三浦の旧約聖書入門編を読み始めた。堅苦しさはあるものの神や、天使の表現力はばつぐんである。さすが、クリスチャンである。

アダムとイブ、ノアの方舟バベルの塔などよく知られた話から、今のソドムとモゴラ最後になるほど 力強く美しいものになっているように思った。