色々な作品、どれも、一抹の爽やかな人間味がかんじられるものが多い。むせ返る様なごった煮の世界から、救い上げるのは、一人の弱々しい人間の輝くような善なる一面である。
社会の流れに逆らいながらも、頑固なローチ監督は一歩一歩進んでいったというわけだ。
弱い人間を描き、、ゴミ屑の様な(言い過ぎかも)人生でも、生きているというパスポートを出してくれる。
若い時からの作品を次々と紹介している。
彼の作る主人公は、崩れていない感じのギリギリの線でカッコのいい男や女が多い。どういうわけだ?かなり、小綺麗である。
元々俳優志望であった。華奢でハンサムな、ケン•ローチ監督である。なるほどとおもえる。
監督とゆかりの深かった人たちは、皆口を揃えて言う。
「とても謙遜する、物静かな大人しい人だ」「だが、一度、こうだ!と、ローチ監督が言った事は
誰も変えることができなかった。」
頑固だったんだねえ。これも映画を撮るに当たってはとてもたいせつなこと。でも周囲の人は手をやいたんだろうな。
社会派の監督として、ダニエルブレイク、その他の作品を手掛けてきた。
俳優たちは、次の場面を知らされていないので、いまを生き生きと演じられる作り方であった。
彼は自分の運転した車の事故で幼い次男を亡くしている。その日以来、
彼の心から日常で感じていた幸福感が全てなくなってしまった。何を見ても素っ気ないものになった。
彼は映画を、レクイエムも込めて作っていたのかもしれない。