現実と幻想とが入り混じり訳がわからない展開になり、終わりに近づくにつれだんだん切れ味が悪くなっていくのが難点だ。
クロードという生徒が、文学的な作文を国語の先生にみとめられ作家として育てていこうと、先生は思うのだった。この先生は、何というか、若い時、本を出した経験のある文学的な先生だった。
でもなんだか先生らしくなくて嫌だ。コメディアンの要素を持った俳優にみえる。落ち着いた感じだが、どこか焦った演技である。あまり質が良くないと思う。
まあ雑に作った作品なので、どうでも良いが、
主役の青年がとにかくイケメンすぎて目がそこにばかり行くので、ちょっと待って、と言いたい。
イケメンならなんでもよくなるかといえば、そうではないことがよくわかる映画だ。
イケメンがジャマして映画が味気ないものになっている。監督は、この青年に入れあげている。
校庭に座っているイケメンの座り方は、長足イケメン座りであった。
この監督で大丈夫だろうか?
イケメン青年は、数学にも強く、バスケにも強いことがわかってくる。まず、そんな才能だらけの人間がいるのか。
彼には障害者の父親がいて、母はいなかった。それ故、普通の家庭というものに憧れと興味を持っていて、普通の平凡な高校生の普通の家庭に友達家庭教師として入り込む。数学を教えるという名目だ。
そこでは普通のパパとママがいて、平凡な生活を送っていた。
その様子を作品にして書いて行くクロードであった。リアルの家庭をイマジネーションを加えて書き上げて行く。それは、かの文学先生を惹きつけて止まないのだった。毎日のように、出来上がった文章を先生に添削してもらうクロードであった。
友人生徒はあまりに平凡であったが、時々車を燃やしたり、物を壊したい衝動がわいてくるんだと
クロードに告白するのだった。なるほどなあと思って見ていると、どうもこれは本当のことではなく、創作なのかもしれなかった。
そうしている間にも、クロードは、ますますこの家庭に深く食い込んで行き、ここの奥さんとできてしまう。それを見た友人生徒は、首を吊ってしまう。
だがこれは、ただのクロードの創作であり、事実はなさそうだった。
このあたりから、創作と現実が入り混ざり真実が見えなくなって行く。
監督よ、お前のプロットが一番やばいわ。
最後にはイケメン青年は、先生の奥さんにまで手を出してしまう。
かの文学先生はクロードの作品にのために生徒のカンニング問題に関係してしまい、学校を首になってしまう。これは本当。
とにかく訳がわからないというより、なぜか後味が良くないものを食べてしまった感じであった。
ああ、期待したぶんガタ落ちしました。