デスノートのヒットで知られた松山主演の映画だった。長い物語で、読むのも大変そうだったので、
とりあえず映画に頼った。まあまあの出来だった。雰囲気はあっているだろう。
大体、村上春樹の作品では 北欧の都市が出てくるのが定番のようだ。ヘルシンキとか。そういうのだ。
北欧は想像するほど寒くはないようだ。暖流だか暖かい風が吹くそうだ。ただ電車とかの時間は、大まかだとか。留学者から聞いた事がある。
そこはノルウェーではなく 多分、北海道とか長野県の牧草地ではないのだろうか。美しい緑の丘が広がる土地で3人の男女が、もつれて、その中の一人が亡くなると言う悲劇が起こる。
死んだのはキズキ(高良健吾)である。残された渡辺(松山ケンイチ),と直子(菊池凜子) の二人である。
二人は愛し合うようになるのだが、直子が弱く、統合失調症を発病させる。そして山の奥のサナトリウムに療養しに入院してしまう。そこは、サナトリウムは、深い森の緑の中にあった。大きな杉などの木が四方を巡っていて里山であろうが、何か恐ろしいような暗い大きな山である。
そこに、面会に行って渡辺は、また直子と愛し合うようになる。病院で、メイクラブなんておかしいでしょ。
医者もナースもどこに言っちゃったの?一緒に泊まるって、まるで、ラブホテルのようなサナトリウムである。 鍵も何もなくて、外出できて 森で迷ってもどうやって探すのやら、さっぱり訳がわからなかった。直子が 泣きながら ドンドン森の奥に入っていく場面では ひどいと思った。草の背丈が人間の姿を隠すほど高く、姿を容易に見失ってしまう恐ろしい高原。宮沢賢治の種山ケ原もこんなに草が茂っていたのだろうなあ、と関係のない事を思うスッポコであった。
まず直子という名前がおかしいし、菊池の演技も子供のそれだったし。子供のようにしてエロい事をするというのが目的であったらしい。だんだん病状も進んできた。渡辺に会うたびに病状は悪くなっていく。恋愛は即禁止にしないとヤバイだろう。思った通り彼女はもうこの世とは相容れれない感覚に襲われるようになる。渡辺のケアレスな行動がそれに拍車をかけたのだった。
渡辺は、直子に愛を誓いながら 東京に帰ると恋人がいてしかも直子の年上の友人とも愛し合ったりしてやりたい放題をする男であった。お前は地獄に落ちるぞとおもった。これは村上の分身なのか?
男というものは本来そうした生き物だという定義しようとしたのか。武勇伝か。懺悔か。
あの頃というかあの年頃の若者の生き方というのが大体これに似通ったものなのは理解できるが。
こんなにモテモテなものなのか。性病などうつらないかと心配してあげたよ。
そのモテモテゆえの憂鬱は渡辺の精神を蝕んでもいるようにみえる。
それが若者の青春だと教えてくれた村上。
直子も、キズキの後を追ったかのように突然死んでしまう。
いなくなって初めて彼女の存在に揺さぶられる渡辺であったが、あんなに泣くのは なんかおかしいと、違和感を感じるスッポコ。 そこだけが「見せ場」のように描くのはまちがいである。
彼女だけを愛していたわけでもないのに、そして、唯一無二の女ではなかったのに。
恋愛をしたこともないスッポコだが、でも、そんなことはわかるよ。
死んだ後は、東京でまた、シャアシャアと恋を育む渡辺であった。
青春の彷徨を描いた力作は映画でも大体は描かれていた。「ノーウィージャンウッド」である。
「私、もう寝るわ。明日、仕事があるから。」「僕はいいんだ。仕事ないからさ。」なんてたわいない会話の歌。ジョージハリスンのインドシタールの響きが圧巻だね。大成功したビートルズの甘い歌が、なぜか、青春の辛い思い出を呼び起こす。ビートルズ達は、あんなに上手いことやったのに、自分はこんな有様だとしょんぼりするんだ。
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