スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

オーケストラ 2010年 公開

とても2010年ものとは思えない古臭さのにおう映画だった。

30年前、ロシアのボリショイで活躍していたユダヤ人の指揮者は、天才の名をほしいままにしていたのに
ユダヤ人迫害の折に席を追われた。楽団員たちも解散してちりじりバラバラになってしまっていた。
有名なこの指揮者はどうしてもこのボリショイ劇場を離れられなくて、掃除夫に身をやつして、働いていた。演奏される曲目をモップを持ってそっと聞くのが楽しみであった。ある日、ほんの偶然で、ボリショイにオーケストラの遠征のファックスが届いているのを見てしまった。まだボリショイの職員は誰も知ってはいないことであった。
そこで主人公は、昔の団員に連絡をして再度オーケストラを結成して、偽ボリショイとして、ヨーロッパに行くことを決断する。様々な職についてしまったメンバーであったが30年ぶりにオーケーという返事で集合する。 馬鹿げ切った話だと頭を振る友人たちを尻目に、有力者たちに掛け合って公演の、オファーをゲットするのである。ヨーロッパ公演は決まったが、楽器などは一つもなく苦心惨憺して集める。楽団員も、ポルノ映画をしていたり、すっかり老人になっているものもいたが、みんなをつれてヨーロッパに乗り込む。弥次喜多道中の団体旅行のような様であった。
ひとりの若い女性のヴァイオリニストがいた。この娘は実は両親がユダヤ人で楽団員であったが、シベリヤに送られる折に、楽団員に赤ちゃんをあずけて、子供の運命を託した。そして両親はシベリアで死んでしまったという悲しい過去をもっていたのだ。この子は立派なヴァイオリニストとして成長した。
そしてこの度のコンサートでは、指揮者の隣に立ち立派すぎる演奏をしたのだった。
曲目は偉大なるロシアの作曲家チャイコフスキーの協奏曲第一である。
初めは音も合わず、観客は眉をひそめるが、ヴァイオリンのうまさと、演奏が一つになって高まっていく過程で、大きな感動と共感を呼んだのだった。
この曲が、こんなに長く、ヴァイオリンが低くうなり、柳のようにしなり、独奏が多いとは知りませんでした。
映画ではなくて、むしろミュージックとしてなりたっていて、サウンドトラックだけで充分なんだろうなと思えてしまう。
映画だとすれば、そりゃあ、よい点はつけれません!ミュージックとしても個人的に好きになれず、
悲しい結果だと言わざるを得ない。
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ヴァイオリンがうますぎて、よくない。完璧な演奏がよい演奏だというなら、ロボットにやらせるべきだ

 

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