スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

シュテラ  ゲーテ作悲劇   1776年

ジョンレノンの三角関係四角関係を見てから、このゲーテのシュテラを読んだ.ゲーテゲーテだから、ま、いいかと割り切った。 ゲーテのこういう悲恋物はウェルテル以来彼の主題となっていて、実際起こった自分の恋の苦い苦い経験から出ている。ただ、ゲーテは幾度も考え相手の女性にも辛い思いをさせたという大反省から数々の美しい悲劇を書き進めた.いずれも新鮮な薔薇の花の香りのような物語となっている.ゲーテは辛い思い出を美しいものに昇華させるのが上手く、決して下品で卑しい物語にはならないところがいいのです。

シュテラとは女性の名で、とても素直で美しい若い女であった.誰でもこの人が好きになり心も和むという。そんな彼女は数年間恋人フェルナンドという男を待ち続けていた。突然出てゆき消えてしまった愛する男であったのに。太陽や月を失ったような日々を過ごしていたのだった。

そんな虚しい日々を消したいと、シュテラはあたらしき女性を話し相手にと、住み込ませるつもりであった.その女性が到着した日に、、いかなる運命の悪戯か、シュテラの恋人のフェルナンドが突然にシュテラの元へ帰って来た。シュテラの元には例の話し相手のご婦人が着いたばかりであった.この温和なご婦人には綺麗な娘がいた.婦人は3年前に出ていったままの夫について大きなショックを受けており、その為娘と共に落ち着く所を探して流浪の旅に身を任せていた。こんな素敵なお屋敷で優しいご婦人に仕えて暮らせるとあって大喜びであった。

二人はフェルナンドの姿を見て、慄き、蒸発した夫であることを確認した.一方シュテラは恋焦がれた恋人フェルナンドが帰って来て気絶するほど喜ぶのだった。しかしお互いの男だとわかってどちらも身を引こうとするが、困った馬鹿男のフェルナンドはピストルを持って別の部屋に行き

死んでしまう。シュテラは何もかも失う覚悟で毒を飲み、彼の妻に男を返す意図であった。今は何もかも、彼も自分も全てを無くすのであった。愛ゆえに。そして彼の妻のために。

あっという間の悲劇に幕が下りる。いけないのは誰なのか。単純ではあるがゲーテの筆使いはやはり豊かで美しく以後の大作品のための練習とも見なすことができる。