シドニーポアチエ主役でキリスト教的ストーリーとなっている。野の百合とはご存じの様にイエスが
ソロモンの栄華にも勝る美しさと説いた白い百合のことである。
ポアチエが、流れ者のホーマー スミス君になって、長い道を車でやってくる。水を乞うた所は、尼さん達が住んでいる田舎のど真ん中。街から遠く離れ、しかも彼女らは、遠い東ドイツから遥々と、アメリカに来たという。だから、英語は苦手であった。スミスという名前を聞いて、「シュッミット」とドイツ風に呼んで、力仕事を勝手に押し付けるシスター達であった。
一晩だけと決めて食事と寝る場所をもらうシュミット。ずっと気楽に暮らして来たのに、変な尼さんたちに取り仕切られて勝手の違ったシュミットさんであった。
神が使わした一人の男と言われて逃げれなくなった彼。とうとう教会をタダで作ることになってしまった。この辺りbrother sun sister moon の聖フランチェスコの話によく似ている。
シュミットの彼は黒人の貧しい家庭に育ち、才能がありながら、学校に行けなかった。そんな辛い過去を吹き飛ばす不思議なお招き。
お金は一文もない尼さんらはそんな事気にも留めずにきっと事は成されると、固く信じていた。
お金も何にもないのに神のおかげであると本気で信じる様子を見て、シュミット君は放っておくこともできなくなっていた。
その様子を知った町の人々が集まるようになり、不足のレンガも、町の業者が何故かトラックで運んでくれた。
なぜこの様にうまくいくのか、誰も言わないが、心の中では知っていた。ここで徳を積んでおけば、幸運にも、あの世で天国に行けるだろうと思う人々も多くいた。ところどころ笑える楽しい映画であった。鮮烈なシスター達の神への祈りと奉仕の生活は、いずれにしても
人々の心を動かしたのだった。