スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

哀れなるものたち エマ ストーン主演 poor things 2023ねん  ヨルゴス  ランティモスモス監督

エマストーンの主演であったが、彼女はどうやって身体をこんなにも若々しくキープしているのだろう。

ベラという半分人造人間の女を彼女はまるで10代の無垢な少女のように演じている。むじゃきに、嬉々として好奇心に溢れた少女のようである。博士とその弟子の外科医と、メイドとの三人ほどの家族で、外の世界については何も知らないと言った純粋さであり、外界世界の汚れなどについては勿論知る由もない実験用人間というかロボトミー手術された身体の持ち主であった。そうであっても.彼女は何でも自分で考えようとする自立的人間であった。博士たちは愛情に満ちて、彼女の成長を見守った。が、日々に目覚ましい成長を続けるベラにはいつまでも小さな世界で保護されてこのままで生きてゆく事には無理があった。ただ彼女の可能性をまだ誰も知る由もなかった。

ある日、ベラは放蕩者の中年男と世界の旅に出る。広い世界の冒険にワクワクする一方、お金がなくなると売春宿でお金を稼ぐという手っ取り早い手段に出る。生きる事には、がむしゃらで手段は選ばないベラの生活本能はすごい。放蕩者は自由気ままなベラに逆に翻弄され、苦しみ始め、自由なベラを亡き者にしようとするが。初めからこの物語は怪奇的なものであったし、何が起こってもまあ仕方がないだろうと思われる。

 

誰が、哀れなるものなのか、否かは、見る人の感性で決めたら良いし、この映画が人をインスパイアするとは思えない。否定的な気持ちにもなる。

もともと美しく身体もしなやかなエマではあるが、このベラの役は彼女の年齢よりずいぶん若い女性なのでそこをクリアーするのにも並々ならぬ努力があったのではないだろうか。

映画全体的にいって、この題名 「哀れなるものたち」とは出演する全ての役に当てはまるような気がする。皆がどこか歪んだ人生観を頑迷に持ち続け突き進んでいく。ベラに群がる男たちの愚かさと滑稽さは

特に強く表されている。これなども哀れなりけりと言っても良いかも。ベラの世間知らずのありのままの発言に何度も笑ってしまうが、何か深い意味を探したって無駄ですわ。ベラの美しさを只々映したと思われる哀れなるものたち。エマストーンの全ての魅力を映画に閉じ込めて一つの高級な芸術品を作り上げたという事なのである…。