スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

男たちの肖像  織田信長   塩野七生著2017年

織田信長についても、かなり面白い見方をしている。比叡山焼き討ちやら、新潟の一向宗との対決、大阪城と同じ場所にあった石山本願寺攻めという、宗教に対してもに凄い力で封じ込めている。政治に口をはさむ者たちは皆殺しといった風で、こんなにこわい殿様もいないと思われるのある。本願寺の場合は、地区にとても地の利の良い場所にあり、やはり秀吉が大阪城を築いただけのところである。

海もあり、交通の便利さもありで、この寺が民衆を集めて豊富な武器を持たせて戦えば、武士といえども危ういだろうと思った。信長は、強気に出て寺をおさめて、信仰の自由は認めるが、軍を作ったりして政治的な動きをするなと命令を下すのだった。

ただこれは、憲法20条にあるように、政治と宗教は相入れないものという決まりごとの、最先端であったのではないのか、との見方もある。これはすごい事であっただろう。

また、ザビエル派などのキリスト教の布教についてだが、これを禁止したのである。

イエズス会は、何でも野蛮で、ヨーロッパでも心よく受け入れられない宗派であったー戦闘モードのとても高い宗派であったためだ。これを知った信長はキリスト教を禁じてしまった。

だがこれによって、イエズス会は は、生き残りをかけて、学問的な面を強調し始め、その結果、今ある上智大学ソフィアユニヴァーシティとなって行ったのだという。ヨーロッパ風の思想や学問を取り入れ視野を広く持つ、その姿勢は、高く評価されるようになった。よくもまあ、ここまでして現代にまで生き残ったというのも珍しい。

宗教の限界は政治との関係が、長く均衡を保ってきた日本であるのは、殿のお陰?かもしれないと。

ただ、現代は、大小の歪みが生じてきていて、ニュースなど見ていても、いままでとは違う悩ましい関係になって来たと思う私である。

塩野ななみ氏は、その点、幸せな事に外国に暮らしの拠点を置いておられるのか、微妙な生の暮らしの感覚はわからないのかもしれない、と思った。