皆さんがご存知の有名な歴史上の男たちの話。歴史の表舞台で、大活躍して死んでいった偉大な男たちを集めてみました、とでも言うのか、何度も世界史の教科書にもというフレーズが繰り返し載っているが、高校時代から、気になっていた歴史上の男について、大雑把に、そして繊細に書いている。アレクサンダーから、ナポレオン、コシモ デ メディチ、チャーチルなどの外国勢、織田信長 西郷隆盛、千利休、北条時宗などの日本勢も頼もしい。気軽に好きな小から読めるのが都合良い。
特に力を入れて読んだのが、北条時宗と、西郷隆盛といった日本人たちである。まず北条氏とは何者?と言った具合で、まったく予期せぬ方角へと行く事に、不安を抱いたスッポコである。
彼は北条時宗とは、鎌倉時代の人である。つくったのは源頼朝であったが、義経を排除して非難にあい、その後落馬で命を落とすーそして頼朝の妻北条政子の血の源が絶えてしまったので、北条家が執権をもったーまだ17歳という北条時宗である。彼は意外にも、外国の世界史で、神風をおこした男としてかなり有名であるらしい。「カミカゼ」、この言葉に大きく反応を示した外国の人々である。十字軍の経験を持つヨーロッパでさえ、時宗のカミカゼには敵わないという感覚を示している。17歳以後は、亡くなるまでの10数年間を一時も休まず国のために 獅子奮迅し続けたということになる。なぜなら、フビライハン率いる蒙古は3回にわたって使者を送ってきたーいわゆる友好の印にということであったが、その死者ら3人とも時宗は殺している。完全に蒙古に対して反旗を翻した。蒙古は、南宋、朝鮮半島などを隷属の国に仕立てていた。日本もそうなるであろうと、知っていたのであろうか。
蒙古は残酷なトルコ軍よりも更に残虐であることで有名であった。蒙古軍が通った後には犬も鳥も鳴かない言われ、何もかも全てが粉塵になってしまうと言われていた。このような大仰な噂がまことしとやかに流された。
世界で、この蒙古を防いだのは日本だけだと言っている。カミカゼがそれを可能にもした。
九州にやってきた戦闘船を迎え撃つため、あらゆる手段を講じて迎え撃つ準備をしていた。京都の朝廷に入いられぬように、幾重もの警備を準備し、九州北岸には石垣を築いたのであった。石垣は現在もわずかに残っているらしい。
そして本戦では、巨大な神風が吹き、敵の船は逃走するしかなくなった。いざとなったら、行幸という名の元に、朝廷を関東の方に移す準備までしていたという。
これが北条時宗であった。神さえ味方したという運の良い男という事か。彼は日本を守るための礎となったような気がするのだ。
塩野七生独特の立ち位置で語る日本歴史であり楽しく読めた。それにしても朝廷は、北条氏に持ち挙げられて、天皇が将軍をやる事になってしまった。ただ、将軍職には天皇は向いていなかったという。