スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

誰が国家を殺すのか  塩野七生

若い時からヨーロッパの歴史に携わってきた塩野女史は、今年2023年に文化勲章を受けたが、まあ、年取ってから受けた方が、身のためでもあろう。驕りは、誰にとっても毒だからね。

この人の考え方は歯切れも良く考え詰めた挙句の発言でもあり、悪い気がしない、上質感さえある。生まれが良いのか、長い外国暮らしにも関わらず一本筋が通った自覚を持った日本人である。

それ故面白いことを言うのである。ブラックユーモアに近いが、思わず同意の笑いが口から漏れそうな

ユーモアが多く、読みやすい。

天才ダヴィンチの本物の自画像デッサンを特別に何処かの美術館での地下で見せてもらったそうだー五分というタイムしかなかったが、実際の絵を見た感想がこれまた凄い。永らく考えていた事がこれを見て、しっかり分かり納得した女史は、以後芸術に対しては決してペンを持たないと決心したという。

天才というものは、何か神がかったものなのかもしれない。

 

コロナがイタリアをロックダウンさせている間に彼女は色々考え執筆を続けていた。

イタリアはとても良い天気で観光客はいなくなり、本来の美しいイタリアに戻ったそうだ。

イタリアがこんなにも美しいのは良くないことではないのかと、神に問うた男がいて、大丈夫、この国にはイタリア人をばら撒いておいたからね、と神からのご返答があったという笑い話が気が利いている。

何百年も続いたヨーロッパ大陸での戦争には宗教が絡んでいた。人は狂信と、心からの庶民の真面目な信仰とをごちゃ混ぜんでほしいとも言っていた。

健康については、彼女はもう好きに行きたいという訳で、ほぼ自己流でやっていくだけであり、これをしなくてはいけないとかのストレスは持ちたくないとのことである。書きたいことは、ほぼ全部書いたと言い切る塩野女史,流石であるね!