スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

月光  ベートーベン  辻井伸之

誰でもが多分、この曲  月光のことは聞き知っているか、聞いたことがあるか、弾いたこともあるかというものだ。

ピアニスト辻井の月光は好きだなーなぜって、音がやさしいからねーこれでやっていくとだんだん曲相が変化してゆくなか軸が崩れることなく最後まで行き着けて上手に着地できるのだ。

最初から月光の青ざめた冷たい光を追うように演奏してしまうと途中で挫折が待っているんだな。

やっぱ辻井が賢い。  月光の第三楽章でも、早く複雑なメロディーをチャラチャラと平気な様子で弾いている辻井君である。ドビッシーの「アラベスク」でも若い才能を発揮しているー若い才能は青く懐かしい。

 

話変わって、辻井が奏でるモーツアルトトルコ行進曲はちょっと…であった。この曲は何か底が深く、底が広い変な曲である。唯一私が納得出来たのは、百円均一で買ったCD で聴いたトルコ行進曲であった。数十年も前のことーお気に入りで綺麗な音のCD ほど、失くす癖のある私である。自分の心の中だけに留めておきたいだけなのかもしれない。髭面のオジさんがジャンジャン弾いてる様な音で、時々音も外れてるのだが、コレだと思った!この曲はこう弾くしかない、何かがあるんだ。コレ弾いてる男は天才か、手慣れたペテン師か。借金取りから逃れて旅に出たモーツアルト夫妻、途中でオレンジの果樹園で、みかんをひとつ拝借ー果樹園の主人に見つかって、とうとう怒られ説教され、お詫びにとこの曲を進呈したとかしないとか。お金がなくても湧き出るこの勇ましい楽曲が凄いと思った。あ、過去にもコレ書いたわな。

 

 

辻井は音感が鋭くわずか一才半の時からピアノの先生について習い始めたー音楽に対する才能に、気がついた両親は、まさかと思っただろうが、同じ曲でもピアニストの良し悪しの違いも聴き分けていて、嫌いなピアニストだと嫌がるのだった。彼は自分の心の声?に導かれながら独自の展開で弾いてゆく。