スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

悲しみは空の彼方に   1959年  ダグラスサーク監督

神への信仰を厚く守っている召使いの黒人女性と、売れっ子の舞台女優の虚しいが華やかな生活の対比である。

本題は 「Imitation of life 」という。この題名だけでもう充分であろう。

黒人は住み込みで女優の家の召使いとして自分の娘も一緒に住み込ませてもらった。ふたりはとても仲良しこよしになる。

娘はアルバイト先で、黒人の混血というだけで、リストラはもちろん、ぶっ叩かれたりもされる。

その葛藤は激しく強いものだった。ふたりの娘も、仲良しであったが、一方は金髪の白人、一方は黒っぽい混血というものだった。混血の娘は、自分を白人と偽って勤めに出るが、母親が、黒人だったので、即にリストラされた。ボーイフレンドも娘を雨の中に叩きのめして逃げてしまった。

むすめは、母親が、死ぬまで帰ってこなかった。本心ではお互いを愛し合っていながら。

 

一方、舞台女優は意気揚々と、出世して、どこからもひくてアマテのとても忙しい生活で、娘はいつも寂しい思いをしていたのだった。

仕返しのためか、母親の恋人に横恋慕して、恋人を母から奪おうとするのだった。

酷い混乱の中で、皆が翻弄され、内容も、無茶苦茶で、こちらの脈拍は上がるばかり。

こんな忙しい映画も久々だった。

 

最後に、黒人の召使いの葬式が盛大に行われ、街をパレードした。

其処へ、何年も逃げていた混血の娘が帰ってきて柩に寄りかかり泣き出すのだった。

 

さて、昔の映画ゆえか、なんとも耐え難いものだが、ゴダールはダグラス監督の信奉者であったため、この映画も絶賛したとかしなかったとか。

黒人女性の、信仰か、煌びやかな女優の人生か、どちらか一本に絞って作るべき映画だったと思う。