ギリーは、「ギリー・ガラドリエル・ホプキンズ」と言う立派な名前を持っている少女だった。
だが、ギリーという少女は、母に捨てられて里親を転々としていた。そのうちに性格も曲がってきて
少し手のつけられない少女になっていた。そんな彼女が今新しい里親(キャシー・ベイツ)の元へとやってきた。いつもふて腐れた不機嫌な顔のギリーであった。
ベイツという大物を中心に据えたことで安定感のあるストーリーにしている。タイタニックから、何かミステリーとか、いろいろな活躍を見せてきた女優である
そこには初老の女性と自分より随分年下の大人しい男の子が住んでいた。男の子はもちろん、彼も里子である。またその隣には目の不自由な黒人の男性が住んでいてギリーの里親の女性が彼の食事などの面倒を見ていた。
博愛主義の里親のテーブルには、毎回美味しそうなアメリカンの食事がのっている。いつ誰が作ったものなのか。
そんな疑問が心に起こるほどである。オレンジジュースと、シリアル、そんなものは微塵もない。栄養豊かな肉や、野菜である。
初めての食事の日、黒人の男性とギリーと少年とそして里親の4人がテーブルについた。その時黒人の男性が、なんでもよいけどちょっとワーズワースの詩を朗読してくれとギリーに頼んだ。ギリーは美しい詩を朗読した。黒人の家には、たくさんの本がぎっしりと並んだ大きな本棚があった。その中で、ギリーは「オックスフォードイギリス名詩選」とかいう分厚い本を選んだ。
なぜかギリーは朗読がうまかった。
実は学校でも勉強ができるのだった。ただやる気がないだけだと見抜いた担任は、ギリーに目をかける。
だが、彼女の心は晴れない。実の母親に会いに行こうとお金を里親などからくすねた。
サンフランシスコの母親に、手紙を書いた。
痛々しい有様である。
里親は、優しく見守っていた。そのうち、母親の親、つまり祖母がギリーと暮らしたいと申し出があった。里親にすっかり懐いていたギリーはまたもや引っ越しである。
祖母の家はお金もちで立派だった。そして母親が、帰ってきて、母と娘は再開するも、
母は、冷たく帰り支度をする始末。
ギリーは自分で強く生きようと決心をするのだった。
そこには里親の女性の真心や、黒人男性の暖かさ、賢さ、祖母の愛など、周囲の人々のギリーに対する気持ちがあって初めてそうなったのである。