とうとうサンタさんもぐれたかと思わせるような変な題名である。「聖なる血」という副題も内容とは反対の意味で、殺人の血なのでご注意を。
フェニックスというかっこいい名前の主人公の若い男はなんとアレハンドロ ホドロフスキー監督のご子息で、この映画の主演、監督だそうです。いや、これも間違いで、結局血族ではあるが、ややこしく分かりにくいので、ここでは保留とする。
サーカスの団長の子供として生まれたフェニックスは、心が優しく繊細な少年だった。ただ一人、耳の聞こえない少女アルマとだけは心が通じ合い、お互い信頼と友情で結ばれていた。アルマもホドロフスキー一家の一員らしいし。娘か?
母親が、変な宗教に狂信的になって教会の教祖みたいなことをしていた。ひょっとしたら、それも生活のためだったかもしれない。信者からお金が集められるからね。この母親は、団長の浮気に悩み、ものすごい嫉妬に狂っていた。とうとう旦那の局所に硫酸を浴びせ、女を殺そうとしたので、団長は、妻の両腕を切り取ってしまうのだった。団長はナイフ使いの名人だった。手無しになった母親は、今度は息子のフェニックスに取り憑き、自分の手のかわりをさせて彼を離さなくなる。そして、気に入らない女たちを殺すことを命令してゆく。そして何人も女たちを殺してゆくフェニックスの人生は、地獄の様なものだった。そんなおり、大人になった耳の悪い少女アルマがひょっこり現れるのだった。彼女は刺青だらけの魔性の女に捕まっていて、娼婦の様なことをさせられていて、逃げてきたのだった。彼女はおもしろい顔の人で、美人ではないし、障害者で、誰も見向きもしない影の薄い女なのだが、そんな彼女がフェニックスのことを一番よく理解しているのだった。
この女の存在はなにを暗示しているのか。なにか意味深なものを感じる顔である。たしかに。
フェニックスが、母の奴隷になり多数の殺人をおかしていることを知ったアルマはフェニックスに、あることを促す。それはアルマにしかできないことであった。
「さあ、もうここを出ましょう。お母さんは亡くなったのだし。(それはフェニックス自身が母を殺したのだが)ここに居てはいけない。みてください。あなたの胸には大きな鳥が飛んでいるのですよ。ここから羽ばたいて遠くへ行くのですよ。」「遠くへ?」「そう遠いところよ」
彼の胸にはわしの刺青があった。
そう言って、フェニックスを家の外に先導する。
だがそこには、警察のパトカーが、何台も来て彼を待ってたのである。
彼は自分の犯した罪をつぐなわねばならなかった。また、償わねばさらに苦しい地獄に落ちるしかなくなるのだ。アルマは、罪と罰のソーニャのような役柄である。
全体的に母親の狂気が強すぎておかしな映画になっている。 イケメンのフェニックスを見せびらかすための映画とか?
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