なぜ今、また 樹木希林なのか、まあ、まだ一周忌にもなっておらんしね。
霊界と、現在の世界をツナグ役目を負った人間、樹木希林と、その孫の松坂桃李。
この映画では樹木希林は、うまく演じていると思う。クセを出さず、尚且つ自然さに溢れていた。
妻、子供、会っていなくても、大切な人などが死んだ後、生きている人間は、彼らが、どう思っていたのか、とても知りたがるものだ。悲惨な事故死、病死で、家族を失って、心に空洞ができている人々は、ツナグを通じて、死者に会いに来る。
恋人(桐谷美玲)がいなくなって、ツナグにきてみると、その部屋に、美玲が立っていた。会えたということはー彼女は死んでいたのだ。 事故死であったので、連絡もできなかったのだ。
また高校生の橋本愛は、演劇部の主役をとるために、ライバルの友人を殺そうと企んだ。
そして本当に、友人は死んでしまう。良心にさいなまされて、苦しい毎日を送る様になった愛は、やつれてゆき、ついに、ツナグに頼り、友人が、自分が、通学路に水を撒いて、凍らせて事故死に至らせたことを知っているのか、
確かめることにした。
友人は知ってはいたが、素知らぬ顔で、愛に会う。愛は、ごめん、ごめんなさい!と、気も狂わんばかりに謝り続け号泣する。
自分の欲望の出来心で、死んでしまった友人。だが、本当は道は、凍っておらず、事故は別の原因からであった。
と
桃李から、その話を聞いた愛は、再び、号泣し、床に伏せて、起き上がれなかった。
友人を殺そうとした醜い心の自分を、友人は許してくれたのだった。
ありがとう、そして必ず、あなたの分も頑張って生きる!そう心に誓う愛であった。
この様に、オムニバス
形式で、話は進む。ー
最後には、樹木希林から、桃李に託されるツナグの鏡が渡されるのだが、この時、樹木希林は、
あの世に旅立つ時であった。