スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

シェークスピアの庭  2018年  ケネス・ブラナー 監督 主演 「all is true」

イングランドの産んだ、清らかな霊の作家。この映画では、そンな感じがした。ちょこちょこ読んできた彼の作品には、夢がいっぱいだ。そして有名になって天も昇る気持ちになった日も数々あっただろう。そんな彼も1人の人間、夫、父親であった。火災で劇場を失い、帰郷した彼には、現実とリアルな家族が待っていた。

 

郷里の墓地には、幼くして、亡くなった息子の墓がそこにはあった。2人の娘(一人は字が書けぬ)、字の書けない年上の妻。そんなこんなで、シェークスピアは一人で、庭作りに励んだ。過去の栄光をそっと思い出すために。夢かまことか、みきわめるためにも。

それに、彼が筆を折って、一体生きて行けるのか?!

仕事を抜かれた人間になんの生きがいがあるのか?! そこが問題である。  彼はきっと、死を予感していた事だろう。そうでなくて、なぜ仕事が辞められるんだい?!

 

彼はもういない息子に、自分の後を継いでもらいたかったようだ。その思いが強すぎて、心が固くなっている。他の娘たちはいつも後回しである。そのために家庭では常に小波がたっていた。

過去の知人、パトロンであったサウサンプトン伯が、訪れた日に、シェークスピアは、彼に、男の愛を告白。由々しき問題に、そっと去ってゆく伯爵。

ただし、尊敬を持ってして。

 

死んだ息子はハムネットという名前であった。息子を思い出し、愛しこがれる父親のシェークスピアは、家名にもこだわり、年金にもこだわり、人間臭い男でもあった。

だが生きるとは、そんなものだ。

 

ある日、友人と談話するが、、人間の人生は、分相応、そんなものだと、語る友人。「君はすごい名声と、お金も手に入れた。家族もあって羨ましいよ。君は、後世に語りつがれるだろう。 俺には、家族もいない。だが人間やはり、分相応というものだよ。全く」

 

其の後、病気になって弱って死んでいくシェークスピア。さすがの大作家も、天には逆らえない。終わりの時が来ていたのだ。

 

しめやかに行われる葬儀であった。妻、娘二人とその夫と、孫たち。

 

 

だが、其の後、彼の子孫は息絶え、彼の跡を継ぐ者はこの世に居なくなったのだった。

 

出来上がった庭は、画面に映ることはなく、「ジャコウソウが咲き乱れ」の言葉だけである。題名のように「all is tue. 」であったのかもしれない。いそがしい人間世界の虚しさ、淘汰されてゆく人々。

 

現在パワハラで苦しんでいる人、虐められている人々、だが、虐めている悪い奴らも、そのひん曲がった心も、平等に淘汰されて消滅してゆくのでしょう。

 

 

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