佐藤愛子のエッセイが本になるまでのことを映画にして、やはり高齢の草笛光子が主演を担当。
作家という役をこともなげに演じる貫禄はなかなかである。
さて、佐藤愛子は、作家として賞もいくつかもらっているし、長いことブランクがあったが、その間に、佐藤は研鑽を積み色々考えただろうことがわかる。ブランクの間も自分の職業を全うしようと勉強しつづけたのだと思う。そうでないと、彼女の今の実像とと辻褄が合わないからだ。いろいろな知識を内蔵して生きる鯉の女王のように彼女は生き続け、犬を飼い、北海道に別荘を構えたり。多くの知人とも交流し、何やかや
オカルトまで自分の血肉にしてきた。雑食系とも見えるが、筋が通ったなかなかの婆さんである。意外に視野も広いんじゃないのかな。生まれた家が普通の家ではないように思うし、若い頃の写真も目のクッキリした美人さんで、飛び抜けて恵まれた容姿と才能に恵まれた人なのだと思う。
よく言われるが、佐藤八郎は異母兄である。
草笛の演技もそういう年老いても堂々とした佐藤愛子の心境を映すような、たおやかで余裕のありあまるほどの演技であった。ザックバランにものをいう佐藤は何故だかどこかしら教養のあるのがわかる。長年の研究の賜物であろう。と言っても演技は草笛がやっているのだがね。うーん、スゴイ。よくわからんけど。
編集者は唐沢がしていて、もじゃもじゃ頭で、初めは誰なのか分からなかった。先生に本を書いてもらうためにしつこく食い下がる。結果は大成功、「90歳。何がめでたい」の本はよく売れて皆の知る所となった。佐藤の娘、なんか演技上手で綺麗な人と思ったら真矢だったりして、またビックリ。
いろいろ仕掛けがしてあって、ホームドラマのようにあっという間に見てしまった。
わたしはこの方のこのようなめでたい人生が羨しい。多分だが、彼女は特別に幸運な人で、子育て、家事は、憶測だが、本人はしないでお手伝いさんがかわるがわるしてきたという生活だったのではないだろうか。
あの余裕、世帯くささから離れた風貌というか身のこなしは毎日不安や物価高と戦う主婦には、到底ない雰囲気であるから。

