ふむ、この本は正否に分かれるような、霊的なことが書かれていたが、特別、私は驚くでもなく、3日ほどかかって読み通した。ミステリーぽい感じで次の展開を知りたいために読み進むことになるのだ。
初めに、「コレは実話です。」と、ハッキリと断りをいれている作者。
ヒフミちゃんと言う女の子が交通事故で死んだと知らせが来るが、その後もずっと、電話が来るのである。
電話を受け取るのは高林というれっきとした医師である。医師であるから、物事を科学的に捉えるだろうと一般には思われているらしいが、彼は、一風変わったひとであった。彼の父は故郷の田舎で降霊術を行う人であった。数人のものとやるのだが、その中で1番の実力者で、常に、身を清めたり鍛えたり、
滝に打たれたり、神経を集中するあまり、脂汗が流れたりという激しいものであった。
そのためか、短命であったと、高林医師は思い、父に対して悔いが残っていた。
そのような体質が、やはり遺伝したのか、死んだはずの者から、何度も定期的に電話がかかってくるのだった。
ヒフミという彼女は亡くなっていても、自分がまだ生きているように感じていて「成仏」できていないらしい。
彼女の兄からも電話がかかってくるのだが非通知であって、住所も何も分からずじまいであった。
この兄も、ちょっと正体が分からないのである。
佐藤愛子は経験上、色々な有名人、各界の有能者などと知り合いであった。
彼らにも助けてもらったが、なかなか正体がわからなかった。そして、「さよなら」と言って、ヒフミは、
ついに天上へあがっていったらしいのだった。
こんなことを、医者である高林先生が、他人に打ち明けても、きっと、信じてもらえないと思い悶々と悩むのだった。1番の大親友の大病院かなにかの精神科の立派な先生にも、相談もできない状態でいた。誰にでも打ち明けられる話でもなかった。
このようなジレンマを抱えてしまった高林先生と、著者は2人していつもゴソゴソ相談をしていたのだが、
結局、何も解決せず何も分からずじまいに、という話です。
なんというか、もう、感想も何もいえない作品となっています。おおらかな作品であり、佐藤愛子の特徴が出ているかなっと。