スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

フェルマーの料理  2023年  高橋文也、志尊淳、小芝風花, 白石聖 、他

遂に料理と数学が合体し、真実の扉を開こうと意気込む男達の話。真実の扉なんてあるのかね。あったとしてもとっても遠いだろう。

北田岳は、数学ばっかしている少年だった。数学オリンピックに敗れてからすっかり数学のやる気をなくしてしまい、人生なんてどうでもいいやと思うようになってしまった。女の友人は水泳が得意で、東京に出て選手になるために頑張ると言って別れた。そしてその後はオーストラリアに留学をして一生懸命水泳に精を出していた。北田が作ったスパゲッティナポリタンを食べた彼女のびっくりポンの顔は印象的だ。ねえ、コレって美味しすぎるよ!と叫んだ彼女。コレがきっかけで、北田はある男性から料理の世界へ誘われて、東京の二ツ星の高級レストランに入ることになった。田舎の父親は額を東大の数学の教授にて、数学の研究者になってほしたかった。父親の人生は岳を育てるために全てを捧げられたものだった。しかし、レストランでいろいろな試験を受けるうちに、岳の才能は目覚め、今まで誰も考えつかなかったような料理を作る才能があることがわかる。それはそこの従業員たちの脅威の的になり、皆からうらやましがられたり、疎まれたりするのだった。数学の天才青年は、料理においても天才を惜しみなく現してゆく。彼の頭には良い料理と共に長い長い数式が沸き起こってくるのであった。

ただそこの若いオーナーの海と言う人は、岳をとても高く買っていて弟のように可愛がり、自分ができなかった真実の扉を開く料理と言うものを学に託するのだった。広い大きな部屋を岳に与え、快適に過ごすことができるようにした。岳は持ち前の数学の知識を用いて料理を作っているのだった。お客様に出すときの温度、皿の温度、さらにカトラリー(cutlery)などの温度も全て数学で計り計算され尽くしていた。そのため彼の料理を食べた客は皆、驚愕し、賞賛するのだった。何故なら、そこには、美味しさだけではなく、数式から紡ぎ出された、一種の知的で哲学的な想いを食べた人に抱かせる力があったからだ。

初めは掃除や皿洗いから始めた岳だったが、1年もするとあっという間にシェフとしてトップに躍り出ることになった。学は自分の料理を作るために、どんな犠牲も持さなかった。そのために周囲の者たちは皆が彼に振り回された。やっと作った料理も投げられて新しいもの作り直せと命令されるのだった。そしてとうとうそんなことをしている間に、完璧な料理を作る間にお客たちもスタッフたちも皆心が離れてしまい、店は閉店へ追い込まれる、結局完璧な料理と言うもの作るためには、彼独自の数式があり、それをたどりながら作るために、なかなか現実的にやると言うことができなかったのだった。自らの才能に溺れ、自らの味覚と技術に溺れそして全てを失ってしまった岳であった。

一方オーナーの海(カイ)は病気であり、これは極秘なものであった。誰にも告げずに、どこかに消えていったのだった。岳も譲り受けた店をつぶしてしまい、夢破れ後は海の行を探してゆくしかもう生きる意味がなくなっていた。星2つの店はどうなった?どうなるのか。岳が請負ってから星は1つになった。その負目もあって岳は必死になりイラついていたのだったが。学も海も海の師匠の渋沢も、3人とも、完璧な料理を目指していたのだった。そして、その果てに、真実の扉があると思っている。もう少しでもう少しでそこに手が届く。しかしいつもそこで夢が破れてしまう。そんな経験をした3人がまたかつてのレストランに一堂に集まった。

 

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