スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

限りなき幸福へ   メーテルリンク作

青い鳥の作者メーテルリンクの著作だが、この本に導かれるまでの道のりは結構あった。だが、これだってただの序章に過ぎないのかもしれない。わたしにとっては特にかかわるはずのなかった世界観であるが、と言うのは、私がどうにもならぬ凡人で知能もそこそこの人間だと言う謙遜さは不要だと思うが、色々な不思議を見るにつけ、どうしても関わらざるを得なかったことを許して欲しい。

マルクスアルレリウスというローマの皇帝(ストア派哲人)がいて、「自省録」とかを書いているのだが、著者は彼のことを高く買っている。行為を重視した哲学者であった。

メーテルリンクは1911年にノーベル賞文学賞を貰っているが、だから彼を好きなわけでもなく、ただ彼の純真さと言うかそう言うものに対する人間臭い果敢な姿勢が好きなだけである。スピリットか、現実か、幻か、真実か、と何重にもなる思考を彼は操り揺れながら、幸せを探してゆく。全ては小さなことから始まってゆくのだと。あまり粗末にするなかれと。

 

また運命論としては、運命という無慈悲な奴は、善人、悪人を区別することはなく、善人にも冷酷無比なむくいを与えるものであると言う。徳が高い人にも平気で害悪はやって来るのである。

ただその受け止め方はさまざまで、あくまでも内面の持ち様で変わって行くとも言っている。

と言って悪人を是認するのではなく、嘘をついたり偽善の人の心は、狭く区切られてゆくとも言っている。偽善はその本人を切り刻むようだ。宇宙も、運命や大自然と同じように人の心には無慈悲であり、勝手な振る舞いをやっているーだがこれが逆に、人の思惑を汲んでやったりやらなかったりという行為に出た場合、人間にとって神の存在などというものは意味を失い無意味となるであろう。

 

昨日見たモノマネでmy little lover というグループがあることを知った。絶望の世の中、こんな歌を作っている人がいたなんて、ちょっとショックでした。あのペロンペロンの服を着ただけの無色の様な

動画は未だかつてない絶望というか灰色一色の世界観というか。其れなのに、なぜあれほど説得感があり、深い意味がある哲学的さえ備えられている様な気にさせるのはなぜ。

 

 

 

人の心の中の大宇宙は、人に寄り添い生きている。朝起きて、お茶を作る、服を着る、など小さなことがつみかさなった平凡な日常こそが重要で、大抵は其処にこそ高貴で神聖なものも住んでいるという。

「理性」だけでは片付けられないもっと大きな問題はやはり、母である深い心のもとへと助けを求めてなだれ込むのが定めであろう、と言う。

 

 

正義や善に対しても悪い運命は容赦なくやってきて彼らの心を、まさに「正義や善の心を持つゆえに」その人を打ち砕くことがよくある。

 

悪の中でも特に「倫理的悪」というのは、人をどん底に落として不安がらせるのだが、ここには実はもう一つの意味がある。這いつくばった彼らは実にもうひとつの一段高い善やら徳を積むことも稀ではないのだ。

何が言いたいのか、よく分からないけれどきっと本当は皆がとっくにわかっていることなのではないのか。あまりくどくど説明はしたくない。苦しい胸の内は語りたくない。

ただ幸福への努力は虚しいように思えても、大切ななにかであると結ぶ。

 

 

 

そこにしか宇宙やらなんやらと繋がる道はないと。