スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

厄除け詩集  :井伏鱒二 著

戦争体験が多いね。明治後半生まれの彼だもの色々な世間の移り変わりを見て来た。

それにしても、同業者からも、あまり妬まれたりせずに、無事に生き抜いた彼だった。

(はなにあらしのたとえもあるぞ、さよならだけがジンセイだ。)

コレが鱒二先生の言葉だったなんて、誰も教えてくれんかった。美しく咲いた花ほど早く散るのだろうか、含蓄多い言葉だね。日本人ならすぐに桜の花を思い浮かべるだろう。

 

この厄除けは、井伏自身のために作った本であるらしい。ただほのぼのとした味わいで、我々の厄除けにもなるやも知れぬ。イワシの頭も、である。

この人は押し付けがましさが無いのがよい。

あの疑い深い太宰が親交を結んだ相手だ。

表現力は、もうこうなったらどうでも良いのだろう。

身近な生活や人物、また戦争への皮肉もこっそり盛られている。

好きに読めばよい。

宿でアンマを頼んで井伏はその間メーテルリンクの青い鳥を朗読していたそうだ。

そのとき、アンマの見えぬ眼から涙が流れていたとかいてあった。本当かよ。

メーテルリンク  素敵。