鎌田實が、みろみろと言うので、見たらよ、まあ、メーテルリンクの青い鳥という感じだと思った。
まず、木のお化けが出てくる。木の名前は、イチイノ木といって、伝説の樹であった。
お成長がとても遅く、葉はキャラボクと同じである。
コナー少年のママは末期ガンで、最後の助かる見込みは、このイチイの木の薬を飲むことしかないのだった。
だが、この樹は、ママの友人だと言って、切ったりしないでと言っていた。
あれやこれやのパッチワーク式の話が続き、最後はママは亡くなり、おばあちゃん(シガニーウイバー)と暮らすことになった。
弱虫で、いじめられっ子の少年にエールを送りたくなるような、変な映画であった。
暇人でないと見れない映画だと思う。
その時、私は、いつものコップで、コーヒーを飲んでいたのだが、このコップと、自分の肉体の命とが、等しいものだと言う感に打たれて、突然に、涙が流れてきた。
まだ少年の幼い心を思って、何故か涙がとまらない。
メーテルリンクの青い鳥の物語には、木の化物が出て来て、襲ってくるが、彼らもまた命を持った魂を持った樹々であった。
それが重要なことである。木の根っこは、何メートルも何メートルも地中に伸びているのだから。
役に立たないことを信じて夢見る私。
シナノのまほろばより、お借りしたいちの木。