懐かしいなあ!先生は、とっても生真面目で、女性とも口がきけないほどウブだった。
でもひょんなことから結婚、ラッキー!素敵な女性で、先生のことを一生懸命支えてあげる。
先生は、実力はあるのに何故か、昇進できない日々が続いていた。今回こそはと期待しても、毎回
結局ハズレの先生であった。
そんな彼を後ろで支えていたのは彼の妻であった。
ところが、そんな大切な妻は、一人先に旅立ってしまった。ひとりぼっちになってしまったチップス先生。こんな悲しいことはないと思ったスッポコ。いつの間にかチップス先生が好きになっていたらしい。
「願いは叶うもの、願いつづけて下さい。」妻の言った通り彼は、校長になった。
戦争中は、フランス語が禁止されて、言語の先生であったチップスは、先生の職まで奪われそうになっていた。その時には、確か生徒たちが先生を守ってくれたのだ。
子供のいない彼にとって、生徒たちは皆可愛い我が子のようなものであった。
寂しい人生だっただろう、同僚からはそう思われていたが、チップスは幸せな人生だったとつくづく思い返すのだった。