なんというか、あの頃のアメリカのヒッピーさん達のハチャメチャな、暮らしぶり、芯のない考え方が、描かれる。
辛い気がした。わては、ヒッピーに憧れたが、ひっぴーがキライじゃよ。
いっときの夢物語だと、いうことだ。
いつ崩れ去るかもわからない脆さと友情の上に成り立った王国。
アリスというのは、ロン毛のアーロのことではない、結構カタギの姉さんぽい、アリスという女性のことだ。この人は、普通ぽいので、ヒッピーには見えない。
この女が、バリバリのピッピーであったら、ノリノリの映画になったことであろう!。
だが、この女は実はカタギだったのさ。ダメじゃん!
アーロは、実在の人物で、現在も、歌っている。
放浪をした経験を頼りに、体制を批判するような感じである。
歌声に艶があり、顔もイケメンだ。女にもモテた。
ベトナム戦争の徴兵で、前科があるというので、はずされている。ラッキーである。
前科といっても、ゴミの不法投棄という変な罪だ。
感謝祭の日に、レストランには多くの人たちが押し寄せて大変な騒ぎとなり、ゴミの量も、凄かったのだ。
その後始末をしくじったアーロ達は逮捕された。ガーべッジ、ガーベッジ と、連発している。
みんながgarbageになっちゃいそう。
話が前後したが、このレストランの始まりは、ある町の教会を丸ごと買ったことから始まる。中年風の男性が、なぜか金を持っていて、きょうかいをどんとこの中年の友人は教会をリフォームして、レストランにしたんだ。ネイミングに恋人のアリスの名を付けたgarbage 。「Alice’s restaurant」と。
かといって、本腰のレストランでもなく、ヒッピーの仲間が屯って、葉っぱを吸って、酒も飲む、そんな酒場のような中途半端さが、ワテは、許せなかった。
誰も真面目に、料理をしていない雰囲気だ。なぜか、ケーキとかばかり出てくる始末。ええ加減にせい!
映画のタイトル通りに、料理をどんどん作って盛り上げて行く話ではなかった。
その逆で、どんどん話は冷え込んで行き、やはり、ヒッピーといえども、現実の壁にぶつかって、
転んでしまうのだった。
アリスと中年の男(教会のオーナー)は結婚をするが、結婚式の日で、ドンチャン騒ぎの最中に、アリスのレストランを売り払い、田舎で、ファームを作り、自給自足生活に入るぞー!と言い出す男。
アリスは、ウェディングドレスを着たまま、長い間立ち尽くしていた。ただ立ち尽くしていた。
アーロの作った、レストランの歌がながれる。
アリスのレストランに来てごらん、なんでも欲しいものがあるよ、というような歌詞だ。
これで、お話は、終わり。
「俺たちに明日はない」の監督だそうな。このボニーアンドクライドのお話も、芯のない話だったが、アリスも同じくトロトロ、ダラダラと、流れる下水の様な気がした。
いや、アリスの方が、明日はない、よりはあか抜けていたと思うよ。観客には意味不明の箇所がいくつかあったけどね、まあいいや、どうだって。
なんだかんだ言っても、アーロは、歌が商売なので、これで、一旗あげて成功したんだ。