スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

ザ ウオーク 2015年 ロバート ゼメキス監督

綱渡りの話だが、ちょっとスケールが大きすぎて、何とも言えない感がある。

ニューヨークのワールドトレードセンタービルは、南棟と北棟に分かれていて、ツインタワーーとも言われている。その当時は411メートルの世界一のタワーであった。綱渡りは、1974年のことであった。

東京のスカイツリーは600メートル以上であるが。

 

フランスはパリのある大道芸人が、ツインタワーでの綱渡りを実現しようとする。

フィリップ   プティという男だが、師匠のジュディ役にベンキングスレーを持ってきて、重厚感を出している。

師匠は、「綱渡りの芸人が落ちるのは、最後の一歩のところで落ちるのだ。最後に、傲慢になったときに、失敗して、命を落とすのだ。そういう奴を何人も見てきた。」とフィリップに教えた

キングスレーに比べて、若いフィリップは、軽く軽薄な感じの男で警察ではおなじみの下っ端のチンピラのような外見であった。実際は、もう少ししゃれた感じの男のようだが。

なかなかのワルだったらしい。

映画でもちょっとチャラいが、それがかえってよかった。

 

仲間の友人たちが、参加して、フィリップの綱渡りを成功させるように、協力したのだった。

まさに、死と隣り合わせのパーフォーマンスである。

 

もう一つの問題は、この計画は、ニューヨーク市の許可を得ずに行うため、みつかったら、監獄行きだということだ。

 

真夜中に、ビルに忍び込み、夜警に見つからずに、屋上で作業をする。

 

ワイヤーを張るのは初期設定の大難関となった。

ツインタワーにワイヤーを張る。どうやって、というわけだ。

 

計画途中で彼は、興奮して、とても抑えられなくなり、神経質になって、まるで狂人の様に、部屋を歩き回った。怒りっぽくなり、誰の意見も聞かない。

だが、友人たちはこれに耐えて協力したのだった。

 

一歩踏み出すともう、彼の世界であった。スッポコは、風のことを心配したのであるが、

ニューヨークの風は優しかったようだ。

 

 

渡りきったところで、警察が、 直接屋上にやってきて、脅してきた。

フィリップは、屋上に降りることができず、ビルの間を二度、三度と往復することになってしまった。

 

イヤーこれは絶対に無いだろうという状況に陥った彼であった。

しかし、いつまでも空中にとどまることはできません。

とうとう屋上に立ち戻り、警察に身柄を拘束されたのだった。

 

この無謀な計画は、成功して、世界中の新聞でニュースとなった。英雄扱いであった。

彼は以前に、パリのシンメトリー、ノートルダム寺院のテッペンでも綱渡りで成功している。

いずれも無許可である。

 

彼はこれらを芸術的クーデターと呼んだ。

 

この二つの建物は、テロの標的、及び火事になって崩れ落ちたのは偶然ではなかろう。

 

これを英雄と呼ぶ人もいる。夢を実現したとリスペクトする人も。

本人自身も、すごい偉業を達成したと言っている。

 

スッポコは、同感し得ない。こんなことは尊敬にも感謝にもなるものか。

彼を見習って、生きようという勇気を得ることはできるだろうか。

綿密な計画には感心したが、あまりにも、かけ離れたことだったので、多分人の感動は通り過ぎていってしまったのだ。

 

 

ザ・ウォーク (字幕版)