プロの殺し屋であるドロンは、一人、冷たいアパートに住んでいる。連れは小鳥の奴だけ。
殺しの依頼を受けると、標的を殺しに行く。大抵それは成功する。
ある日、大物のボスの様な男を殺した後、顔を数人に見られて、警察に追われるようになる。
彼は恋人のコールガールの売春婦に、、アリバイを頼み込むがうまくいかない。
このコールガールをナタリードロンが初めての役で、アランドロンと共演した。
事件はどんどん大きくなって、警察は、多くの動員をもって、パリの駅や道に、たくさん警察官を網の目の様に配置する。
だが、賢いドロンは、それをくぐり抜けて逃げてしまう。
彼はどこに消えたのか。警察は失敗した。
その後ドロンは仕事を頼まれて、殺人を目撃した酒場クラブのピアニストの女を殺すことになった。
なぜ彼女を殺すのか、意味不明であった。
そこに行って、お前を殺すぞと接近。ピストルを出して殺そうとした瞬間。
警察が見張っていて一斉にドロンを射撃した。
あっという間に床に転げるドロン。息は絶えていた。
哀しいかな、ドロンの持ったピストルには、弾が一つも込められていなかった。
初めから殺す気もなく、ただ、全てを観念して、警察に投降し、散っていったのだ。
この散り際の良さと、女を撃たなかったという美学が、すごいと思う。
ドロンに殺しを頼むボスとかの事が意味不明で理解できないままであったが、無視して見ていた。
すくっと立ったドロンの均整のとれた姿は、中肉中背の理想的なものだ。
いや少しやせすぎかもしれないが、いい男というべきかはスッポコには分からない。
それほどセクシーではないからだ。彼は俳優といっても職人芸でもないし、批評するに、難しい人なのだ。
コート姿に痺れた、という人が多いが、ワテにはピンとこなかった。ユニクロのコマーシャルでもあるまいに。
世界のドロンという俳優はもっともっとかっこよいものだとおもっていた。
だから、おそらく、ドロンは、映画の中でより、現実の生活の中での方がより輝いて見えるタイプではないかと思っている。