悲劇というか、本物の悲劇なんですね。
でもこの話、危ない内容ですし、全てが、この男の幻想だったとも言える大逆転話かもしれないし、悩むすっぽこである
ジョーカーの化粧をして、コメディアンになる夢を追っている一人の男。
踏みにじられた人生は、彼にとってただ辛いだけのものであった。
ジョーカーの必死の努力にもかかわらず、人生はズタズタになっていく。
こんなにも絶望的な人生で、平静でおられる人などいないはずだ。
彼の思い込みだけでは無く、この街は腐っている。
ついに、3人の殺人を犯す。
そうしてついに母も殺し、友人も殺す。
脳に損傷を負い、時々、ゲラゲラわらいだすジョーカーであった。
そんなうちにテレビからの出演依頼があり、喜ぶジョーカー。
だが、そこには一つの大きなもくろみがあった。有名なテレビ番組で、沢山の人々が観ていた。
実は三人の男を、殺したと、喋り始める。驚いた司会者(ロバートデニーロ)は、それもジョークですかと、問いただすも、本当のことだと言って、司会者を、ピストルで、打ち抜く。
火事や暴動が街中で起こっていた。
貧しく社会から虐げられた人々は、ジョーカーを自分達の代弁者、自分達のヒーローに祭り上げてしまった。
最終的には、病院送り。冷たく白い閉鎖病棟の中で、今日も暮らすジョーカー。
権力社会の格差は大きく、人々の精神を狂気にさえ導く。
余計なものは何も無く、スッキリした仕上がり、途中でフランクシナトラのthat life,最後の曲はcream のwhite room。いずれも年代物。
全てが素晴らしい。ただ全てが幻想でないのであれば、ということだが。
だが、そのことよりも、ジョーカーが受け持つ現実の重さが、ズッシリとくる、共鳴を禁じ得ない。