チャップリン監督、主演ときた傑作の ひとつだ。「The Gold Rush」という英語題名もそのままだ。
金鉱を探して、アラスカの北の山に登るチャップリンとビッグジムは、山小屋で暫し過ごすことに。そこは雪山で断崖絶壁、そして熊などがうろうろしているとても危険な場所だ。そこにある山小屋を寝ぐらにするが、寒さと飢えで苦しむことになる。
外は雪山で、ネズミ一匹いない。とうとう自分の靴を鍋で煮て、塩で味をつけ、スープにする。
靴紐や、靴皮をむしゃむしゃ食べる。
とうとう、もう1人の仲間が、食料を探しに雪山に出ると、ベーコンなどの食料の袋がみつかった。
この男は実は、警察に追われる犯罪者であった。山に逃げ隠れていたのだ。
ビッグジムが、追いかけると、殴ってきて、ジムは気を失っってしまう。
チャップリンは、1人で、山を降り、麓の、酒場に行く。
そこは金鉱堀の人々で賑わう店であった。綺麗な女たちもいて、酒を勧めたりダンスをしたりの大騒ぎであった。その中に、より美しい女がいて、チャップリンは一目惚れしてしまう。
借り受けた小屋に、女性を招待して喜ぶチャップリン。
でも女たちは、本当は、彼をばかにしていたのだ。お金も無く、小男の彼は、誰からも見向きもされないのが当たり前であったから。
大晦日にはなけなしのお金でわずかなご馳走を買い部屋をかたずけて、お酒を買い、キャンドルを買い女性を待ち続けたが、結局、来てくれなくて、振られてしまうチャップリン。
彼の失意は大きかった。たった1人で、大晦日を迎えた彼であった。
その後、ビッグジムと再会し、記憶を取り戻したジムは、埋め隠した金鉱のことを思い出した。
それで、一気に大金持ちになった2人であった。
豪華客船に乗り、錦を飾るチャップリンとビッグジム。
ジムは大男で、度厚い毛皮を着てますます大きく見えた。顔は穏やかそうであるが、よく見ると、目が動物染みていて、ギラギラ光る時は凝視できないほど怖いのだった。
この太っちょの役者に、チャップリンは大幅の信頼を寄せているようだった。
女の役者は、エドナ・パーヴァイアンスといって、とても美しく、喜劇には向かないと、チャップリンは思ったのだが、結局、彼の映画にたくさん出ることになった甘い顔の美女である。
街の灯とかにも出ていたと思うが。
チャップリンの映画を引き立てる決め手にもなった美人女優である。
船に乗って行く途中、新聞記者たちからインタビューされる彼は、昔のボロい服に着替えて
苦労時代の話をするということになった。ボロい服で、船をうろついていると、あの酒場の彼女に再会する。
ボロい服を着た億万長者の彼であった。チャップリンが、密航者ではと、心配する女の心配をぬぐい、今では億万長者であることを明かす。
ハッピーエンドは稀なチャップリンの映画なので、また胸をかきむしられるような別れがあるのかと思っていたが、
この黄金狂では、2人とも幸せになれそうだった。良かったと、ホッとした。