ある有名な作家は、冬の道で、深い雪の谷間へ転落した。そこへ助けたのは、この作家の大大ファンである女性だった。
幸い家も近く、重度の怪我をした彼を、彼女の家で看護することになった。看護婦でもあった彼女は、この遭難者が、ミザリーの作家であることを知り、狂喜する。
贅沢な食事、暖かな家、手厚い看護、でも彼は監禁されたかの様な生活を送ることになる。
ミザリーはシリーズものの、物語で、彼は、続きを、この家で書くことになる。足をやられて動けない彼は、ベッドに寝かされて、彼女のお人形と化していた。
強い薬、注射で眠らされたり、女性のやりたい放題であった。何しろ誰もこない山奥のカテッジである。
世間では、雪の中の車が見つかり、彼の遺体がないことから、なにかのげんいんで既に、死亡という見方に固まっていた。
だがある警察官が、色々調べて、彼は、どこかに連れて行かれたのかもと、気が付いた。
カテッジにやってきた警官は、呆気なく、女に撃たれて死亡。
もう自力で、逃げ延びるしかないと意を決して、作家は動かぬ足で、必死の脱出を試みる。普段からタイプライターを持ち上げて、腕力を鍛えておいた効果が出た。彼女との肉弾戦では、男の彼が勝った。
彼は、再び、文壇生活に戻り、皆からも拍手喝采でむかえられたのだが、ときおり、PTSDが出て、無関係の女性が、あの雪山の女に見えてしまう恐怖に固まることがあるのだった。