ニューヨークに住む94歳の女性の記録。
この女性は、アイリス アプフェルと言って、ファッション系の収集家である。
若い時から、世界中を旅して、いろいろなファッション、洋服、インテリア、布などを、集めていった。
特に布の繊維類は、素晴らしく、、布は国会議事堂など、いろいろな殿堂の修理やリフォームに使われたのであった。
布は、アリスが、世界中をかけ回って、買い付けた布類であった。今はもう作られていないものが多く、職人の手作りの賜物であった。
美術館で展覧会が、行われたときは、本当にたくさんの人が訪れて大成功を収めたという。
博物館行きなものも、いっぱいあるのだった。それは長年買い集めたおかげである。
彼女が集めたものには、
特に、アクセサリーが多く、次に洋服も多いのだった。大きくて、エキセントリックで、結構ジャラジャラした、ネックレスやブレスレットの大群がすごい。
どれも変わった形のものだ。
今回は
倉庫に眠るたくさんの収集品を、売ったり、譲ったりしてしまうというのだった。
それは、自分の年齢を、考えてのことだった。
アイリスアプフェルは、もう94才、夫は100才になった。
もうこうなったら、所有は無理だと観念したらしいが、一つ一つを覚えている記憶力はすばらしい。
どれも手放すのが辛くなるような、思い出深いものだという。
彼女の容姿は、軽々した痩せ型で、お茶目なかんじである。
美人ではないが、美に対する教養があり、大学生相手に、講義したり、テレビでのファッション評論家としてもモテモテである。
彼女がアレンジしたファッションや、アクセサリーは、大抵完売となり、店側にとっても必要な人物である。
彼女は感が鋭く、消費者の求めているものが分かるのだろう。美しいものには目がなくて、財布を叩いても買ってきた苦労があったからだろう。
そういう気持ちで、美への鑑賞眼を磨いてきたのだろう。
なぜこういう道を選び、歩いてきたのか、彼女自身うまく説明できないのかもしれない。
スッポコとしては、彼女のコレクションは、悪くはないが、アクセサリーのジャラジャラ感がちょっと気に触ると思った。
あんなものをつけて人は生活できない。ただ夢はあるわね。
洋服の好みは、これも悪くはないが、またシンプルなワンピースなどは品があってよいが、やはり少し
ジャラついたごちゃごちゃした好みである。多分ニューヨークという人類のるつぼという複雑な都会の風潮であるかと思う。活気のある都市の雰囲気がそうさせるのである。
実際に見ないと、やはり、ファッションというのは分かりづらく伝わらないと思った。
ただ彼女が、ここ1世紀を生きてきて、女性で初めてジーンズを履いた女性であった、ことを、記憶すべきだろう。
ジーンズ屋の親父から猛烈に怒られたりしても、折れることのなかったアイリスはやっぱすごいのではないか。
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