スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

癌闘病日記  森永卓郎     2024年

2023年に癌だと宣告されて、来年の花見はできませんでしょうと言われた森永.この衝撃以来、彼は癌の恐怖と戦って、(彼の癌は正体不明の癌であり、手こずったようだが) 残りのわずな時間を真実を書くことを主軸に変えて、臨んだ著書がニ、三冊 またはそれ以上に及んだだ。

なんの自覚症状もなく、モリモリ食べて、あちこち飛び回る生活は何も変わらず、元気なものだと自分では思っていたが、痩せ方が早いために、検査を受けるように言われ、そこで突然すでに末期の癌であることを言い渡されたという。こういうのを青天の霹靂というそうだ。家にいることはほぼなかった彼は、急に家にばかり居る生活にに転じてしまう。家族に世話になり介護されるようになる.そうなると天地が反対になったような逆の立場であった。2023年に癌が発見されて、2025年まで生き続けたそういう記録を、仰々しくなくさらりと書いているとことは流石だなとは思う。色々な人々との仕事でも繋がり、テレビ、ラジオも出演もこなしていった。

誰も書かなかったことを書いた本はよく売れたのだった.「読んではいけない」とか、「書いてはいけない」とか。この問題作の内容は正に、書いてはいけなかったことを書き、公に晒した本という意味で、怖いものかもしれない、「読んではいけない」 と言った本も、読んだら最後、その真実がキミをずたずたにする危険があるという意味だろう。世間にばら撒かれた庶民が気づかない秘密は色々あって、地雷のようなものなんだろうね。

何か秘密めいた本である.私はまだ読んではいないが、おおよその意味は分かるのである。

色々おそろし い事件があったのだが、彼の直感と事件の裏側を知ろうとする臭覚はとても敏感であった。

ある意味特殊な人とでも言えるかもしれない.彼はオモチャ博物館のようなビルを持っていて、熱心に集めたグリコのオマケや、りかちゃん人形などにも親のような情熱を注いだ。このような収集癖が、彼の生きる希望を底上げしていたことはなんとなく分かる気がする.彼の亡き後は彼の息子が彼の後を継いでいるとか。

好きなことをたくさんやって人生を目一杯謳歌できたと自分の人生をそのように肯定評価した森永氏であ流.ただ人生とは皮肉なもの、波に乗っている時に突然幕が降りることがあることを自ら教えてくれた人でもある。何故、そして誰にそれが。

このような父親を持つことはどういう気持ちなのであろうか。元々、経済には弱くて、興味のない人間であった私自身が、まさか、森永氏の本を手に取って読むなどとは思ってもみなかった.ー書いてはいけないー読んではいけないなど、黒い権力に負けない人間の知恵の根比べのような本が森永氏によって書かれた.彼がもし末期癌に犯されていなかったら、書くことはなかったかもしれない本だったのではと思うと、何かとても意味深である。しかし、かれとしては死ぬまでには、どうしてもこの謎かけをやっておきたかったのだった。24年の春の桜は、初めて家族みんなでみた桜であった。 だが、25年の桜は見ることは叶わなかったのである。森永氏よ、

安らかにおやすみくださいね。