脳神経医学博士の中野女史の研究テーマの一つ、サイコパスである。よく聞く言葉であるが、この定義はきちんとされるべきであるし、
犯罪に関わりのある異常精神、異常脳というわけでもあるから、オーディナリーピープルが気をつけるべき点を教えてほしいと思って、読んだ。
ただ他の大学の教授たちの研究を多く挙げすぎかもと思った。国内外の大学のこともよくご存知の中野女史である。
ただ、彼女自身の意見はあまり見られない。
彼らの特徴は、平気で嘘をつく、人の苦しみなどに共鳴しない、人が怖がることも冷静にやってのける、規則違反をしても悪びれない、
など憎らしい特徴が次々と挙げられていく。
また彼らは、心拍数が、低めであり普通の人がドキドキして止めてしまうことでも、難なくやり遂げるのだ。
確かにこういう人はあちこちで存在しており、人々は騙されたり、カチンと来たり、その度にありえないとおもえることを、やってのける。
気の良い人々をカモにするのは朝飯前であり、まさに彼らは、サイコパスの餌食となり、彼らの言いなりに操作されるという。
詐欺師的性格、その場の利益、不利益を即座に読み込み、どさくさに紛れて、野望を遂げるという。
そのくせ、仕事の能率や技術に関しては大したことなく、普通よりやや下回る。これポイントですかね。
ただこれらの特性は、本人にはほぼ分かっていないという、不思議なことにになっている。
彼らが長けているのは、その場の空気を読み、有利に立ち回る術なのである。お喋りもとても巧みであり、知らぬ間に毒の種を食べさせられている。其れが犯罪ではないからいいようなものの。道徳的な面ではスッカリ、すっからかんである。 人の弱みにつけ込むのがとても上手く、スマートなやり口である。
これらの能力はやや、遺伝と定義することも出来るらしいー科学的なエビデンスとして。
会社の社長、弁護士、外科医など、人の弱みに共感しない事で有利になる職業の人に多い。危険な爆弾処理などの仕事にも脈の低い人が向いているという。
ただ冷静すぎて危険が察知できず、思わぬ事故に遭うこともあるそうだ。
お人好しの私、生まれつき、、脈が早く、ドキドキする体質を持った私は、クールなサイコパスにはなれないだろうが、誰だって少しは心の奥にサイコパスを持っているのではと思う。
全体的に学校の研究発表のような感じで、当たり障りなく進み自己の意見が見当たらないという物足りなさはあった。ただ具体的にパターンを挙げられていて、それはそれで助かったとは思った。