気性の激しすぎる信長も、ついに1582年に、本能寺にて遂に死ぬのである。森蘭丸も美しく信長と共に最後まで付き添っていたのであった。迫力満点の最後であったが、どうも信長は、幻覚っぽいものが見えたりで、心身共にどことなく本調子でなく、自分でもおかしいなと思っていたように、描かれていた。こういう演出は効果抜群であった。死神は既に信長の心身に取り憑いていたようだ。
予感というものはそう言うものらしい。かのジョン レノンでさえも、死を自覚して苦しんでいたという。死とは自分の自由にはならないもだから、かふしぎな重過ぎる重力がかかるのだろう。
家康は、今こそ、信長を打つ時と心得ていたが、攻めることができなかった。
妻子を殺された家康としてはここで、優柔不断になったことは天が味方をしたというべきであろう。
世間では、本能寺の変を起こした張本人こそ、恨みを募らせた家康であるとの噂が広まるばかりであった。首に賞金をかけられた犯人のように京から逃げることになった家康である。