ある日 校長先生にトットちゃんは呼び止められたー嬉々として答えようと構える彼女ー聞かれた内容はー
トットちゃんが髪に付けている美しいリボンのことであった。コレは自慢の品であり、おばさんがくれた素敵きなリボンだった。
レースが幅広にたっぷりついていて、絹仕立てであり、細かい刺繍も付いていた。こういうレースのリボンが丁度流行っていた時代でもあった。
「其れは何処から買ったのかね?銀座中探してもコレほどのリボンはなかったよ、ひょっとして輸入品なのかもしれないが、どこで手に入れたのだい? 実はみよちゃんがね、コレと同じ様なリボンをとても欲しがっていてね。」
みよちゃんの家は、学園に併設された様に建っていて、みよちゃんはほとんど 学園の中に住んでいた。それって、校長先生の子供ってことかなあと、推察できる…。本当かな?
とにかくリボンをねだられて、とっても困っている校長先生はほとんど、先生ではなく困っている父親の顔になって真顔でトットちゃんに訊ねていた。
次の日からトットちゃんは、そのリボンを外して学園に行ったのでした。