ある日の自由が丘駅の構内では、何やら騒しく、いつも好奇心満載のトットちゃんは人だかりをのぞいてみた。フムフム、フーム、男が一人、敷物の上で何やらしゃべっている。側には凄い数の木の皮が積まれていた。ただの木の皮に見えるのだが、ミラクルな木の皮らしい!噛んでみると苦い味がする人はsick であり、苦くない人はhealthyという皮であった。コレで、その人の健康状態が一発で分かるのだ。
トットちゃんは大急ぎで走って家に帰り、20銭を握りしめて、駅へと再び向かう。「これ一つください!」
学校の校長先生のところにも走ってゆき噛んでもらう。苦くないよ、という校長に、トットちゃんは大喜びで安堵する。もし苦かったら
先生は病気ということになる。
校長先生は思った。これを売った男は、二度と再び自由が丘には現れんだろう!
コレはただの木の皮だー先生が生まれた故郷には山がありこのような木の皮は苦くないことをよく知っていたからだった。
心配そうに友達にこの木の皮をかじらせて、一喜一憂するトットちゃんを見てコレでいいんだと思ったのでした。
誰もが苦くないと答えていました。