阿部寛って、使えない俳優という感じは確かにあった。なんか難しい気がする男である。
背が高すぎるのかもしれないし、ま、そんなところだ。
だが、このドラマでは、この融通のつかない性質が、かえって良い効果となり、何故かとてもうまくいっている不思議な例である。
というのも、周囲の俳優陣の手厚い応援もあって成功しているんだけどね。シャキシャキの女医者の夏川結衣・チャラい女の国仲涼子 チャラい部下の塚本高史 らが、良いダシを出して堅物の見本のような阿部を生かしている。そこにパグ犬のケンちゃんが加わって、癒しも加算されて、プラスマイナス=プラスとなっている模様。
お堅い建築家の阿部は、気の利かぬ男として登場しているが、この役回りは、かなり難しくあっただろう。だが阿部にはそれが演じられたのだー前代未聞の性格劇でもあり、女が数人で惑星のように、阿部の周りで回っている様子も楽しかった。ついでに、コンビニのアルバイト女子の気だるそうなかんじ、CDレンタルショップのヤンキー青年のレジ係、などが良いスパイスとなっているのがまた凄い。
うますぎる演出!
パッと観ても分かりにくいこの阿部の変わり者の性格、原作者はどうやって作ったのか、何か不思議な魔力を感じる作品であった。というか、このような作品は全く初めてであったので、舌を巻いたというのが本心である。彼の一本気な生き方が現代にあるはずもないものであり、勇気がもらえるという作品である。
欲を言えば、犬を飼っている国仲のキャラが、ちょっと薄すぎて頼りなさすぎてイタタタであった。
全く関係ないが、中居のやっているPayPay、ペイトクのコマーシャル、真っ赤な衣装に身を包んでいるーあんなに踊りうまかったんだと、感心したが、着衣のマントが、何とも重すぎる。
わざわざチャラいノリでやっているのだから、どうせのことマントの裏地は、キレキレの真っ赤な無地のポリエステル、いや少しだけ暗い赤にしてほしかったなあ!またはオウム🦜の羽模様でも浮かせてみるかだったろう。