スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

もののけ姫 1997年

そうですね、まだ娘が小学校の低学年の頃でしょうか、映画館までワザワザ連れて行ってみせた。

とても流行っていて、新聞などにも大評判と出ていた。懐かしいですね。

コレを逃すまじと、幼いながら娘も絶対見るんだと意気込んでいた。気色ばんでいたと言うべきか。

もう一つ下の娘はまだ赤ちゃんであったので数年後にテレビとビデオで見ていた。歌も覚えてよく歌っていたが、彼女の歌詞はチャランポランでおもしろかったな。

そんな娘たちも大きくなって家を出て行ってしまった。

 

なぜアシタカという青年は、祟り神(怒り狂った狂気のイノシシ)の呪を腕に受けてしまったのか。これがこの映画の主題であり、いつまでもこの謎が解けないために、少年も観客も苦しむのである。

この不条理に満ちた物語は宮崎の中でも特別に良い出来であろうと思う。

色々な矛盾だらけの人々が出てくるのも面白いし、声優もイキイキとしている。

ようするに、世界は不条理、不条理とはこの世のことと、知らざるを、得ないのである。

 

不条理と聞けば、まずカフカの変身を思い出す。主人公は毒虫になり、家族から嫌われて、最後には殺されてしまう。

家族に殺されてしまうんだ。家族の小さな幸せを乱すものは許されないこと。ここで、婆さんとか出て来て、まあまあ待ちなさいとブレーキをかけてくれたら、あるいは。

現代は、核家族が多く、ブレーキ要員をもたない。

人間は恥さらしに成り下がり、ほぼ何もかも失いつつあるように見えるーそれともまだ、この地球に留まりたいと、足を踏ん張っているのか。人間は正しいことをしても、かえって死んでしまうことがあるのではないだろうか。逆もまた真ということで。