変な話でなあ、説明にも不自由するのだが、これは、スッポコは、母娘の確執と見た。母に殺されかけた娘の辛い虐待の思い出。だが母は、気が狂ったまま作家になり済まし虐待された娘のことを書いた小説を発表し、人気作家となって生きていた。
スッポコは夕食を食べながら見ていたので、ご飯が急に喉に詰まって、飲み込めなくなり、目を白黒させる羽目になった。この映画は、きつい。
そこへ編集者である壱成がやって来て、作家のお気に入りの編集者となって付き人のようになる。
変わった小説は人気を呼び、本もよく売れた。だがこの作家は狂っていた。
壱成は男の編集者の格好はしていたが、本当は、まるっきり違っていた。
彼は、胸を切って男になり身体を変えて、母に近寄って来た殺されたはずの娘であったのだった!
このように複雑なスジなので、よく分からなくなる。いや、取り残されてしまうが、大丈夫。
石田のカッチョよい姿を拝んでいる間に、いつの間にか、勝手に進んでいくので、園監督のサービスなのか。
問題は、母が娘になりきり、娘も母になり切っていくという過程である。
母の方が重度の錯覚に囚われていて、自分が死んだ娘だと思い込んでいるフシがあった。
娘になりきって小説を書く母。
娘は母への復讐のためにいきていた。父親への復讐も果たした。
まあ、ろくでなしの親父のせいで、何もかもが壊れたのであるから。
「お母さん、お母さん、私よ、分からないの?!」そう叫ぶ、娘(壱成)、だが、自分が娘だと思い込んでいる母には娘が認知できないのであった!
という精神的な悲劇。依存的な弱い精神。ふがいない精神。
このような親子の悲劇はあちこちにあるだろう。母がなぜか子供を認知できずに無視するのは、動物の世界でもあるではないか。
この映画は、痛いものになった。痛さを思い出させ、もう一度、スタートを切りたい。
なぜか、かってに、そう思えた作品でもあった。それは壱成の輝く瞳のおかげかも。
壱成が好きだ。この人とずっと一緒にいたい。 そんな気持ちになるおバカな還暦女でした。
映画「Strange Circus奇妙なサーカス」(主演・宮崎ますみ)写真集
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