この本は、おおくのかたに読んでいただきたい。気を張らず、悩み事を聞くように読めば良い。
人々の日常に潜むちょっとした出来事の中で、この摂食障害は発症する。
やはり、堅苦しい家庭環境、高い理想を子供に託すなど、無理なことが重なっていくと、10代の瑞々しくしなやかな肉体は、枯れた枝のように変わって行くことになる。
子供は、タレントやモデルさんのように、注目されたいというのではなく、今ある強く威嚇してくる現実から逃げ出したいのだ!
今まで完璧にこなしてきた勉強、スポーツ、人間関係も、もうついて行けないという混乱した現実から逃避するために、痩せて病気のような様子を呈して見せるのだ。
自分の力でそれらの問題を乗り越えることができないのは、やはり親の育て方というか、家庭環境も大きいだろう。家の在り方、と言うのは、個々に相違があるとおもう。世間体というのか、それもある。
見栄を張ってしまうと、やっぱダメなんですね。親は子供のことより、自分の偏った凝り固まった頭の中を整理して変えた方が解決にむかうのでは?
体重が増えるということは、また元の厳しい混乱した現実に引き戻されてしまうという意味である。
本人は、解決できない問題にまた苦しむことになるーそんなのはごめんだ。
ただ、テストで100点取ったり、ピアノが上達したり、スポーツの記録が伸びたりするのはかなりの努力や、才能も必要である。一方食べずにいれば、スイスイ体重は落ちて行く、その数字が簡単に、ちょっとの我慢と意志で実現するのだー魔法のタクトを振ればよいのだ。
体重が少しずつ戻ってきたということは、子供の心を揺さぶる事実でもある。
今度は本当の現実に臨み死力を尽くすのか、それともまた拒食に戻ろうかと揺れ動いている。
少し食べれたことは、よく努力して頑張ったねと言って褒めるとよい。食べるということは、現実に向かって行くという意味と同意義である。
痩せて、ガリガリになった同じ体型の友人がいたらどう思えるのであろう。
きっとやはり奇異に見える事だろう。
病状が進むと、認知能力も低下、色々な身体能力が欠落してくる。
苦しむのは、本人であるし。
過食で、嘔吐をする場合も、食物だけの嘔吐ではなく、多くのホルモンなど重要なものが排出されてしまうので、肉体的には大きな負担となっている。
後々、健康にマイナスな点が出てくることは必至であろう。何かしら不健康な体になってしまうのだ。
それが、拒食の見返りというものなのだ。
なんとか問題が乗り越えられるように、決して高い理想を押し付けたり、バイトを禁止したりはしないほうがよう。バイトをすぐにやめても決して説教はしないで欲しい。
自分は誰か、自分はなんのために生まれたのか、何を選んで進むべきかなどなど、自分で決めて行かねば、本人自身のアイデンティは芽生えてこない。
この本は多分値段的に、専門書かもしれない。
それでも、かなり読みやすく、親しみやすくイージーなところが気に入った。
時間はあっという間に過ぎて行く。どうか自分の子供さんと自分をあまり責め過ぎないで。
いつか必ず突破口が見つかるものです。
この著書は、私自身にも、衝撃を与えた。そして、若かった過去に舞い戻って、もう一度、混乱のなかに、とり残された自分の世界を整理整頓するつもりである。