スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

カフカ  審判   1993ねん  カイル・マクラクラン主演  セルゲイ・ロズ二ツア監督

f:id:dekochanya:20200713100550j:image    オーソンウェルズ監督の審判を見ようと思ったが、こちらの方が落ち着きがあって良いと思った。ロシアとオランダの合作。

アンソニー・パーキンスは、サイコに出ていたが、少し痩せすぎである。

彼の存在自体が不安定すぎて本作を喰ってしまう。

カフカユダヤ人家庭の裕福な階級であった。

貧しく暮らす人々に、申し訳ないと思ったり、彼等を理解できないのとで、社会的な解離を起こしていたはずである。父との確執は長引き、彼の心を苦しめた。

父は成功した実業家でもあり、カフカとは全てが、違っていた。だが冷静に考えれば、親子の確執なんてよくあることである。

だが自分のことになると、なかなか解決できないものである。

だが、それに苦しむカフカは、我々に身近な人間として捉えられる。カフカのあの苦しみを持って我々は、それを乗り越えられるのである。静かに寄り添ってくれる唯一の人であろう。

カフカは、それは色々考えただろう。神のこと、ユダヤ人のこと、社会のこと。

彼は自分の人生と思考を統合しようと、試みていたようだ。分裂した彼の文章は、まず見せかけであろう。

そしてついに統合は完成したと言っている。

 

審判では、主人公は訳のわからないうちに、見知らぬ男達に連れてゆかれ野原を横切り、石切場で処刑されてしまう。Kの素晴らしい未来を含んだ人生は、常に安定した豊かな生活は、ここで終わってしまった。

 

 

彼の繊細さと観察眼は、この世で格別であり、追随を許すものではない。

ただ彼には彼の骨格があり、その鋭い良心の下で彼は仕事をしたのであった。