審判　カフカ　　叔父とレー二(女性)

審判の読みが少しだけ進んだ。進みは微々たるものだが、暑いので集中できないのと、カフカの場合、どんどん読み進められる代物でもない。

ヨーゼフ・K が、訴訟されたことを手紙で知って、田舎の叔父がやって来た。

説明のしにくい立場の kは、おじさんに説教されたが、最終的に、古くからの知り合いの弁護士に頼んでやると、息巻くのだった。それはフルト弁護士と言って叔父と同じ学校の同級生ということであった。二人で、歩いて彼の家まで行くと、なぜか、その辺はあの裁判所事務所の近くにあったのだ。少し不審に思いながら一緒に家に入ろうとする。まず看護婦が出てきて弁護士は大変重篤な病気であり、あなたがたに会う事はできないと告げる。しかし、旧知の仲であると言うことをしつこく言ってとうとう中に入ることが許された。

不思議なことに弁護士は、既にKが訴えられたことを知っていた。そしてこれは、難しい裁判になるが、今までの経験でなんとかなると

見栄を切った。

よく見ると裁判所の事務局長が、部屋の暗がりに黙って座っていて話を聞いていた。彼はずっと前からそこに陣取ってK達の話をつぶさに聞いていたのだった。

突然の出来事にぎょっとして慌てふためくK。

その時、ガシャーンと大きな音がしてKは慌てて音のした部屋に行ってみた。そこには例のレー二という看護婦がいて、「あなたを待っていたの、あなたはきっと来てくれると思ったわ。だからわざと皿を割ったのよ。」などと口走った。

そしてレー二はKの膝の上に乗り甘えてきた。看護婦を抱きかかえたKは、どうしたものかと戸惑いながらもこの看護婦をなんとか味方にできないものかと考えたりしたのだった。どんどん時間が過ぎてはっと我に返り、弁護士とおじさんの部屋にかけ戻ったのだが、

弁護士は彼を待ちすぎて、とうとう重篤になってしまい、死にそうなほどになっていた。お前が帰ってこないから弁護士がこんなひどい有様になってしまったのだ。と、ものすごく怒られるのだった。