あるスウェーデンのオレグという青年は発達障害という病気を持っている。
コレは遺伝的な病気であり、脳の器官に異常があるために、精神にも異常をきたしてしまう病気である。だが人それぞれに、苦手分野も各々で、こだわりの人や、光や音の敏感な人、などほかにも、いろいろある。
オレグは、狼が人を食うと聞いて以来、狼をなんか怖がってる。森多いスウェーデンにはまだ狼がいるのだろうか。
狼のせいで、生活がままならないなどは、健常な人には、理解できにくい。
見たところ彼は身体は大きくなっているのだが、顔の表情にあまり変化がなく、ジッと何かを見ている様な、睨んでいる様な表情を取り続けている。子供の様な表情なのである。
世辞にたけた大人の人間の顔ではない。年齢相応の顔ではない。
人とうまく打ち解けられず、仕事もできないらしい。
こんな彼を何とかするために、なぜか、劇団の若い踊り子たちの中に、直接投入したドキュメントだ。
ちょっと信じられない。発声練習をしたりダンスもしたりで、劇に王子様役で出演するということだ。
スウェーデンの見目麗しい女の子たちが、レオタード姿で、踊っている。体をクネクネと回して派手な動きで彼を囲んだ。お尻をプリプリしたりしている。
その中の1人が、彼と仲良くなって恋人になってあげるそうだ。うそっぽい、そんな流れである。
しかし再度見てみると、劇の役をやっていただけであった。
女性との絡みの劇であった。だが、劇の後でも、本当の恋人の様に女は誘い振る舞った。
子供っぽい彼をどこまで侮辱するのか知らぬが、彼の心を開けるのは、本当の恋人でなければ、何の救いがあるどころか、害があるだけではないのか。
こんなヤラセをするテレビ局は、人道的に道を踏み間違えているのだ。
考えてみれば、すっぽこ自身も、、オルグの様な心の持ち主である。
ただ、だからといって、生きて行くしかないが、やはりショックであった!
だが、それほど不快な気持ちはない。
真実がわかったことで、諸々のことが冷静に考えられる様になったからだ。