どんだけ走りきるアスリートものだろうと思ったが、高校生の陸上部の物語であった。ピット扮する高校生が主人公である。
陸上部のエースである彼にコーチも目をかけていていた。群でも一位の記録を作り、次の試合で良い成績を出すとスタンフォード大学に推薦入学のできるいわれ、とても喜び練習に励む彼であった。
朝早く起きて早朝練習にも励み、勉強も宿題もさぼらず、夜は八百屋で遅くまでバイトした。
こんな優等生のピットはピットらしくないというものだ。
また、いつ「傷だらけ」になるのか、と色々想像を巡らせていたがいつまでも高校生の枠から抜けきれず、女が出てきたがただのカマセであったしな。不良もカマセや。
ただ、問題は弟が少年院から仮出所してきて色々な不祥事がが起こりそうになることにあった。
彼らのパパは死んでいて、母子家庭であり、母親は必死で働いていたが、貧しかった。
弟はまだ悪い友人につきまとわれていた。戻った高校でも暴力問題でまた少年院に後戻りしそうになっていた。
しかしピットは何としても試合に勝って大学に行くと言う願いを叶えたいのだった。
彼は問題児の弟を叩き起こして一緒に走らせた。初めは嫌がっていた弟だが、走るのははきらいではなかったらしい。
ある日、弟は高校の陸上部に入部する。そしてすぐにレギュラー入するほどの実力を出してきた。
あの兄の弟か、とコーチに言われる。兄はすでに有名になっていたのだ。
めきめき頭角を現してきた弟は、ついに兄と決勝の試合に出ることになってしまったのだった。
その頃には弟はスポーツに打ち込んで不良仲間からも抜けていた。更生の道はできたのだった。
この決勝戦はピットにとっては大学進学が決まるもっとも重要な試合であった。
弟と戦う羽目になった兄のピット、これが傷だらけの事かと思ったスッポコ。
試合の前日に自主トレで弟に負けてしまったピットは急にやけになって酒を飲み土手に寝てしまう。
しかし弟が心配して兄のところにやってきた。助け起こして試合に連れて行く。
「諦めるなよ!」それは出所した弟に兄がはじめに言った言葉だった。
今度は同じ言葉を弟から掛けられたのだ。
ハッとしたピットは試合に参加する。
兄と弟は力の限り走ったのだが、最後の最後で弟は兄へ優勝を譲ったのだった。
競り合っていたので本当なら弟が勝っていたかもしれないのだったが、弟は兄が大学に行ってくれることを願ったのだった。
とにかくピットが若い!