スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

ブラック スワン  2010年  

あの有名な白鳥の湖。バレーに命をかける若い女性たち。その中でも特に目を懸けられたニナは、臆病で繊細な女の子だ。バレーを踊る人たちはガリガリに痩せている。一体食事を食べているのかしらとか、このままじゃ座ったり立ったりも難儀なことになるんじゃないのと、体の事が心配になる。

誰が主役をとるかで激しい競争でギスギスする中、ニナが主役に選ばれる。プロのバレリーナたちの優美なダンスと、生なピアノとバイオリン演奏!観ていて得をした気にもなるが、実は怖い映画。

ニナは完璧主義すぎてとても神経質だ。選ばれた事でますます神経質になるニナ。ライバルに怯えるニナ。バレーのためには、かわいこぶってはいられない。「君には、悪魔的な黒鳥を踊れない。いつまでも可愛こぶっていては駄目だ!」監督に叱咤激励されセクハラされても文句も言えない素直なニナ。ヤクブツも飲むし、男女で乱行もする。芸の肥やしにするために!ジャジャーン。そういう路線の映画か?

家ではお母さんが心配していた。娘は病気ではないのか。見えないものが見えたりしていないか。

  まずは、コレはバレー映画なのだと思ってみれば美しいクラシックバレーを楽しむ事もできる。バレーダンスの美しい演技が堪能できるようになっている。

それにもかかわらず、オードリー ヘップバーンによく似た純真な若い女性が黒鳥へと内部から変身してゆく様は、他にはないものがある。何か数十年前の映画のような真面目なマニュアルっぽい作り方がしてあって余計に新鮮である。他にも何か理由があるのだろう。どうってことはない筋書きが、複雑なものに変化してゆく。久々に怖い映画を見ちゃったという感想。